二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

a title[薬と目撃] ( No.18 )
日時: 2012/08/18 11:51
名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
参照: 花って英語に直すとカッコいいよね←

差し込む鮮明な光に、チュンチュンと可愛らしく鳴く鳥の声。
朝か。薬を飲まなくちゃ。
朝起きたら直ぐに薬を飲むのが決まりになっている。朝ご飯の食前・食後は駄目、朝起きたら必ず直ぐに飲みなさい。って精神科の先生が言っていた。
見つからないように薬をジャージのポケットにしまい、台所へ向かおうとしたが身体は石の様に重くなっていて上手く立ち上がらない。
嗚呼、やっぱり朝は嫌いだ。



重たい佐田先輩を退かしながらも冷たい廊下を歩いて、漸く台所に辿り着く。

「ッ、」

壁に飾られてある一枚の鏡に映った俺。首には指の痕が残っていた。昨日見た夢を思い出した。
夢の中の倉間先輩に絞殺されかけたんだっけ。怖かったな…。
薬を飲んだ後自分の部屋に戻ろうと台所を出る。

「天馬」
「倉間先輩ッ、」

台所を出ると、右横に倉間先輩が待ち構えていたのか腕を組み少し悲しげな笑みを浮かべながら佇んでいた。

「天馬、昨日は傍に居てやれなくてゴメンな?」
「えッ? あ、あぁ!其の事ならもう良いんですよ!また先輩達に御迷惑を…」
「別に。 気にしていない」
「昨日夢の中の倉間先輩に絞殺されそうだった時は怖かったですッ。 目は本気でしたし…」
「…そっか」

それから倉間先輩と二人で今日の練習について話し合いながらそれぞれの部屋に戻った。
其の時、神童先輩が暗い瞳を輝かせながら俺達の行動を目撃していた事を俺は知らない。




another title/[誰にも知られてはイケナイ事だってあるのよ]