二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

a title[傷口に渦巻くトラウマ] ( No.21 )
日時: 2012/08/23 13:48
名前: 黒狼架蒼月 (ID: DkN/A4kL)
参照: ついに再びやらかしてしまったよ…orz

「———ッ!てん、ま…」

我に返った倉間先輩。ワナワナ身体中震わせ目を見開きながら俺を見詰める。光が消えかけた瞳で。
———貴方ガ傷付ケタノニ。

『天馬ァッ!!!』

神童先輩、南沢先輩が駆けつけてくる。
来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで———『来ルナ』

「…倉間、—————『許サネェ』」

南沢先輩の瞳がメラメラ揺ら揺ら燃エテイル。紅イケドドス黒イ。
狂気狂気狂気狂気—————
アレ、何ダカ楽シクナッテキタ。頭ノ中ガ狂気デイッパイダ♪楽シイナ嬉シイナ面白イナ♪
アレレ、今度ハ急ニ目ノ前ガ真ッ暗ニ…—————



また俺は夢を見ている。駄目ジャナイカ、練習サボッタラ。神童先輩達に怒ラレチャウダロ?倉間先輩ニ呆レチャウダロ?

『再会二回目ってとこだな』

あ、何時の間にか此処に倉間先輩が居る。

『その傷、〝俺〟に付けられたんだろ?それ以上誰かに関わんなって。
次、何仕出かされるか分かんねぇぞ?』
「現実の倉間先輩は今日は苛々してたんです。聞こうと思ったらカッターで切られて…」
『だからぁ、御前は〝俺〟に騙されてるんだっつぅの』
「ッ、」
『なぁ知ってるか、現実の俺みたいな人間ってのはストレスが溜まりやすいんだ。
ちょっとでも他人に優しくすりゃストレスが発散するってワケよ。
因みに〝善〟の感情や行動は負の感情を抑える効果があるんだ。
だから〝俺〟以外の人間がやってる事は全てストレス発散の為にやってるんだぜ?
其れを御前は人間は皆〝善〟だと思い込んでるからああなるんだ。
現実の俺を信じるから傷が増えるんだよ』
「で、でも倉間先輩や他の先輩方はッ…、狩屋達は確かにッ…」
『善だと言いたいのか? だから善なんてあるわけねぇだろうが。
人間は腐敗した世界にしか生きられないんだ。騙す殺す発狂する、人間は歪んでるんだ。
…もしも別世界があったとする。其処は何の歪みも無い世界。住む人間は皆正常だ。
そんな世界に歪んだ人間一人放り込んでみろ。あっと言う間に廃れ、人々は狂気に飲まれてる。
…まぁ俺が言いたいのはな、どんなに完璧な人間がいたとしても狂人一人いりゃあ終いなんだよ』
「じゃあ倉間先輩はッ、皆はッ———」
『あぁ、只の狂人共さ。 何時までも正常な面してないでさっさと狂気に堕ちろよ』
「俺は先輩達が、狩屋達が、円堂監督や音無先生、秋姉が狂人でも俺は普通に接するよ。絶対に飲まれるもんか!」
『御前ッ、ホンット呆れる奴だな…』

そう倉間先輩は毒づいてから俺のところへゆっくりと向かって歩く。
怖くて、恐る恐る後ろへ下がったけど直ぐに追いつかれてしまれ耳元でこう言った。

『言っておくけどな、どんなに正常な面構えしても結局は狂気が打ち勝っちまうんだよ。
だから早く——————————染マッチマエヨ』

囁いた瞬間、あの時のフラッシュバック現象が起こり漸く現実の世界へ戻ってこれた。



場所はグラウンドじゃなくて病室だった。天井が真っ白だし薬品の臭いがプンプンするんだもん。
それにしても足が重い。誰かが圧し掛かっているのか?

「て、ててて天馬ァッ…!」

圧し掛かっていたのは意外な人物だった。

「青山先輩ッ?」

そう、俺の足に圧し掛かっていたのはぎこちなく俺の名を呼ぶ俺より一つ上の青山先輩だった。




another title/[早く早く狂気に染まれ]