二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- a title[今宵の満月は妖しく光る] ( No.23 )
- 日時: 2012/08/23 21:30
- 名前: 黒狼架蒼月 (ID: DkN/A4kL)
- 参照: ついに再びやらかしてしまったよ…orz
其の日の夜、俺は晩御飯を断った。
だって食べる席が倉間先輩と対面してるんだもん。確かに他の席で食べれば問題無いと思うけど皆に迷惑掛けたらマズイし…。
…うん、自室に戻ろう。今は一人でいたいしね。
———自室にて
窓から見える景色はポッカリ満月が見える。
和室から見る月って良いよね。何か昔の時代にトリップした感じでさ。畳から漂う落ち着く匂いを味わいながら眺める…。うん、まさに江戸時代だなぁ…って関係ないか。
…でも、美しいモノを見てると今日の事なんか忘れてしまう。やっぱり食事断って良かったな。
飾られてある風鈴がチリンチリンと立てる音に耳を傾ければ更に忘却出来る。
…そういえば俺の中の倉間先輩が青山先輩が狂人だって言ってたけれど、如何して当たったんだろうか。
だって俺の中の倉間先輩は俺の夢にしか現れない筈だ。なのに如何して現実の世界に出て来れたんだろう。如何して話せたんだろう。
そう疑問を持っていたら頭の中で声が聞こえた。
『そりゃ、御前の脳内神経とリンクしてるからな。現実でも話せるのは当たり前だ』
「意味分からないですよ倉間先輩…」
現実では姿は見えないがククッと少し先輩が笑ったような気がした。
『…なぁ天馬。 御前は何時から俺は御前の中に巣食っていたのか疑問を持たないのか?』
「あ、そういえば」
現実の事ばかり気にしていたし、それに急に俺の夢の中に登場するんだもん。気付かないのは当然だよ。
「そういえば先輩は何時から俺の中に居座っていたんですか?」
『今更かよ。 御前、人に言われないと気付かないタイプか』
夢の中の先輩は現実と変わらない部分も含まれていたんだな。
夢の中の人物なら大抵性格が違うのに。ちょっと吃驚したなッ…。
『…俺はずっと御前の中に居たんだよ』
「ずっと?其れって何時頃からなんですか」
『〝あの日〟からだよ』
〝あの日〟って言われても何の事だかサッパリ分からないや。
イキナリ言われても思い出せへんわ…って何で関西弁なんだろ?
突然視界がTVの砂嵐みたいに悪くなり、ノイズ音が鳴り響く。激しい頭痛に耐えようとしたが打ち勝てず頭を抱えながら布団に寝転んだ途端、ノイズ音から何かが聴こえて来た。
耳障りなノイズが邪魔して聴こえなかったがよく耳を澄ましてみると…。
「…ッ、此れ、は…」
何処かで聞き覚えのある声が聴こえて来た。
その声の正体は——————————『俺の母親』だった。
*
another title/[壊れ掛けのラジオ]