二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 記憶喪失少女[inzm] ( No.2 )
日時: 2013/01/27 15:25
名前: 音愛羽 (ID: Pc9/eeea)


(((ナンバー1.わかりません)))






目を開けるとそこはどこかの部屋のようだった。
真っ白な天井がまず見え、次に周りを囲んである桜色のカーテンが視界に入った。
保健室や、病院の個室のようだ。


「ん……」


体を起こそうと腕に力を入れるが、震える手は体を支えることはできない。
崩れ落ちるようにベットに倒れた。
さっき……といってもどのくらい時間がたったのかわからないが、あの時のように頭が痛いとか視界が悪いとか……そんな体調不良は感じない。
誰かがきっと運んで,そしてさらに看病もしてくれたのだろう。
誰だろう……。

考えていると、ガチャ、と音がしてこちらに近づく足音。
そして、シャー、という音とともにカーテンが開く。
そこには2人の女の子が立っていた。

そういえば、自分は女のようだ。
体つきからして、たぶん。
そして自分のことを「私」と一人称で呼んでいるところを見るとそうらしい。
なのでとりあえず一人称は「私」にしておこう。

自分が何者であるのか。
自分はどこに住んでいたのか。
名前は、顔は、声は、背の大きさは、体重は?
全部知らない。
とりあえず人間であることは確か。
そして、自分の事意外何も問題ないらしい。
言葉も話せるし、保健室という語彙も知っている。
だから、記憶障害なのだと思う。なぜか私はどこかもわからないあの場所にふらふらと立っていたのだから。
その前の記憶などない。考えようとも思わない。とりあえず今は目の前にいる二人の女の子の話に耳を傾けることにしようか。

「目が覚めたのね。良かった……」

「あなた、二日も眠っていたのよ? それにあちこちケガしてるし……って当たり前ね。
  階段から落ちたんだもの。頭を打ってなくてよかったわ」

「ね、気分はどう? 水持ってきましょうか?」

と言って水を持ってきてくれた方の女の子。
肩に届くか届かないかくらいの髪の先はくるんと外側にカールしていて、黒髪。
目は大きくて丸めで、瞳の色は黒。背は154,5センチくらいだろう、きっと。(あくまでも私が見てだが)
声はクリアなよく通る声。どちらかというと高めだ。
笑顔はとてもかわいらしくて、その場の雰囲気を明るくしそう……。
いかにもほんわかな優しそうな女の子だ。……というのが第一印象。

「ありがとう……」

私はそういって水を受け取ると口に含む。
飲み込むと、スーっとのどを伝って下に流れていくのを感じた。
冷たっっ……よく冷えてんな、などと考えたり。

「どういたしまして。それよりおなかはすいてない?」

「あの……はい」

「熱はもうなさそうね。頭痛とかはないの?」

「はい……」

「そうそう、言い忘れてたわね。自己紹介するわ。私は木野秋」

水をくれた黒髪の子だ……。
秋というのか……かわいい名前。

「私は雷門夏美よ」

夏美……もう一人の子。
茶髪の髪はウェーブがかっていて、腰のところくらいまである。
目は少し切れ目で瞳の色は赤。背は高いから……160?(アバウトに)
声はアルト声で、きれいな大人っぽい声だ。
見た目的には少しきつそうに見えるが、(秋に比べて?)ほんとの性格までは知りません。
今あったばっかりですからね。
かなりの美人さんだ……お嬢様っぽい。(なんとなく)

「それで、あなたの名前は?」

秋が言った。

「……名前?」

私の?
……なんだろう?
なんて言う名前なのだろうか、私。




「わか……りません」



ただ、そういうしかなかった。
記憶を失った、私には……。