二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 記憶喪失少女[inzm] ( No.4 )
- 日時: 2013/01/27 15:28
- 名前: 音愛羽 (ID: Pc9/eeea)
(((ナンバー3.部屋が広いんですが?)))
「おじゃまします……」
大きな城といえば少し大げさだが、豪邸といえば豪邸である。
見るからに大きな家なのであるが、夏美は気にすることなくインターホンをおし、夏美ですと言った。
数秒待つと、ガチャンと音がして扉の鍵が開く音がした。
彼女は門を押す。当たり前だが押された門は奥へ開いた。
レンガの並んだ道を少し歩くと玄関が見える。
重そうなドアを引いて開けると、広い靴脱ぎ場。
靴を脱いで並べ、スリッパに履き替えると今度は長い廊下を進む。
両脇には美術品や、花などが飾ってあった。
モノホンかな……?(本物かな……)
途中らせん階段があったり、ほかの部屋があるらしいドアなどがある。
一番奥の途中あったドアより一回り大きなドアを開ける。
そこは広いリビングだった。
「「お帰りなさいませ、お嬢様」」
うわぁ……何このアニメみたいな場!
メイドさんが並んでますが?
えー、ドアの両側に右3人、左3人並んでますはい。
「ただいま。この子が言ってた子よ。部屋に案内してあげてくださる?」
「かしこまりました」
いやいや、かしこまりました。……じゃねーよ!
ナニコレ。どう対応するの?
一応会釈しておきました。あ、よろしくお願いしますとも言いましたよ。
一度、そのメイドさんに案内していただいて、さっき見たらせん階段を上る。
そして登りきった後、また奥へ続く廊下がずっと続いているが、あまり進まず3番目のドアを開けた。
一人の部屋にしてはやけに広い部屋だった。
ベットは明らかにお嬢様ようですよ〜みたいな大きなベットで、ベールのカーテンが円錐のような形で上から垂れている。
部屋の中央には丸いじゅうたんが引いてあって、色は薄いピンクに薔薇の模様。
その上に白いテーブルが置いてある。左わきにはテーブルと同じ種類の白いタンスやクローゼット。
右わきには棚……といいたいところだが、一応シェルフとカッコよく言ってみるとして。
シェルフもテーブルと同じ種類の白色だった。
統一性のある、とても上品なお部屋だ。
ここに住むのにはとても抵抗があるのだが……
「どうぞ、海桜お嬢様。こちらのお洋服にお着替えください」
そういってメイドに手渡される高そうな服。
別にドレスとかそういうわけではないが、淡い水色のワンピースを渡される。
従うしかないのでそれに着替え、もう一度夏美の待つリビングへ戻る。
「似合うじゃない、海桜」
「ありがとうございます、夏美さん……。あの……広いですね……」
「そう? まあ好きに使ってちょうだい。部屋はどう?気に入った?」
「はい。でも私には広いんですけど……」
「そのうち慣れるわよ」
そういわれてもですね。
「海桜」
「はい」
「これからよろしくね?」
「はい、よろしくお願いします。お世話になります」
海桜--みお--それは、仮につけた私の名前。
名字は一応天野--あまの--にした。
私は桜が好きだとなんとなく思ったので、桜を入れたいといったのだ。
というのも今の季節が春で、病室の窓から桜が見えていたのだ。
あの淡いピンク色が心を落ち着かせていい気持になる。
-----、私は桜が好きだ。
直感でそう思った。
「制服はクローゼットに入れてあるわ。カバンも棚に入っているから。
教科書も書くものも一応全部その棚に入れてあるから、ほかのところに直したいならそうして。
本当に好きに使って構わないからね。何かあれば私に言って。
隣の部屋よ。ノックしてくれればでるから」
「はい」
中学一年、天野 海桜。
身長は148センチと小さめで、顔は小顔。
目は丸く、まつ毛は長い。ひとみの色はエメラルドグリーン。
髪は長く、胸の下あたりまで。くるんとウェーブがかっていて、色はマリンブルー。
アニメの中みたいなありえない配色なのですが、ここは現実でしょうか?それとも夢でしょうか?
私、少なくても人間ですよね?
……心配になってきた、ある春の今日この頃です。