二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.111 )
- 日時: 2012/10/26 20:53
- 名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)
第二十四話 『愛媛の三戦強』
「皆様、愛媛の三戦強をご存じですか?」
その日の部活、オリビアが切り出した一言がきっかけで一部の部員は−主に円堂、豪炎寺、鬼道、風丸、染岡、壁山、虎丸など−練習が中止になった。
というのも、彼女が昨年のFFI出場メンバーに見せておきたいものがあるそうだ。
「愛媛の三戦強?」
円堂が首をかしげる。
このアホキャプテンはサッカーが好きだとかうるさい割に、選手の名前を知らなかったりする。
無知にもほどがある。
「円堂殿でなくとも、これを知る方は少ないのです」
「それっておれが何も知らねぇみてぇな言い方だな…」
円堂は渋いような苦いような、だが決して快くない顔をした。
それを無視してオリビアは続ける。
「かつて、愛媛に小学生にして全国レベルの実力を持つ選手が三人おりました。
一人は蜷川大輔—にながわ だいすけ—。
ポジションはFW。
常識破りなシュート、プレースタイル、恐ろしいほどの機敏な動きから"光の矢"とうたわれました。
二人目は不動明王—ふどう あきお—。
皆様もご存じのように、チームの指揮を担った方。
MFとして、オフェンスとディフェンスをつなぎ止めておられた…」
あの不動がねぇ……という声がオリビアの耳に聞こえないような気がしないでもなかった。
実際の不動は悪い奴ではないが、イメージがイメージなだけに、それも仕方ない。
「三人目はわたくし、優樹菜・オリビア・プリンス。
大輔様と明王様の背中を守り、折っても折れぬメンタルの強さから"不洛の女帝"の名が付きました。
この三人をまとめて、『愛媛の三戦強』と呼ぶのです。
加えて、大輔様と明王様はわたくしの幼なじみで、よくバカをやったものでございます。
今日は、その試合のVTRを持って参りました」
オリビアはエナメルバッグから一枚のDVDを取り出した。
「これを見て、今後のチーム編成、戦力強化に生かしてみてはどうかと」
「そりゃぁいい。早速つけてくれるか?」
「はい…」
DVDをデッキにセットして、オリビアは夏未に膝を貸してもらった。
夏未の膝に頭をおいて、リモコンを操作。
画面にバッとサッカーフィールドが映し出された。