二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.114 )
- 日時: 2012/10/27 22:52
- 名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)
第二十五話 「フィックス・サンダー」
フィールドの上でい差を放つ選手が三人。
ディフェンスラインにいる少女は、紛れもないオリビアだった。
彼女が小学6年生時の映像だが、現在の彼女の面影がある。
相手チームのFWがオリビアと相対する。
迫り来る相手の選手の足下に冷たい冷たい水がわく。
そしてそれは…オリビアのいる場所からのびていた。
「三途の大河!!」
極寒の吹雪も適わないほど冷たい激流がボールを奪った。
「明王様!!」
取ったとあらば、速攻でカウンターに出るのが鉄則とばかりにオリビアは中盤の不動へパスを出した。
そのパスを不動は受け取る。
「蜷川!!上がれ!!」
「わあった!!」
不動の指示を受けて、ワントップの美少年が上がる。
少々くせっ毛な赤髪で、エメラルドグリーンの目だ。
見ようによっては小学生ではなく中三くらいには見える。
その少年、蜷川が不動の言うままに前線へ上がっていく。
「出番だ優樹菜!!」
「はい!!」
目にとめられない俊足でオリビアがディフェンスラインを抜けてオフェンスに加わる。
不動が高くボールを蹴り上げ、3人同時にジャンプ。
3人の体を電撃が包む。
「「「フィックス・サンダー!!!」」」
体中を覆っていた電撃を片足に集め、オリビア、不動、蜷川の順でゴールに向けて蹴る。
三人が連続で蹴り、威力もスピードも高まったシュートに相手チームのGKは必殺技を発動するタイミングすらなくした。
映像はフィックス・サンダーが決まったところまでだった。
その映像は、"愛媛の三戦強"の実力がいかなるものかを知るには十分すぎた。
オリビアの堅いディフェンス。
そこから始まる早すぎるカウンター。
不動の迅速な指示。
オリビアと不動を信じてためらいもなく駆け上がる蜷川。
そして何より…3人の息ピッタリな連携。
フィックス・サンダーの威力とかっこよさ。
他にも色々語り尽くせるが、それでは丸一日いるだろう。
圧倒されるとはこのこと。
魅了されるとは、この3人のことだった。
「すごい……」
雷門サッカー部のVTRを見た感想は風丸がやっとの思いで発したそれしかなかった。
VTRを持ってきた当人はいつの間にか夏未の膝でぐーすか寝ているが。
「オリビアさん、起きて」
「ん…あぁ、申し訳ありませぬ」
オリビアは夏未の膝から上体を起こすと、リモコンで画面を消した。
右手を首にかけてごきっと言わせたのに、彼女とつきあいが短い雷門イレブンはびびった。