二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.122 )
日時: 2012/10/30 21:43
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第二十七話 『お見通しだアホ』

「只今戻りましてございます!」

不動を連れてオリビアは帰宅。
靴を脱ぎ、リビングまで行った。
実はソファでくつろいでいる。
シュリアンヌはキッチンで忙しなく夕飯の準備中のようで、将がダイニングテーブルに教科書類を広げて勉強をしている。

「姉ちゃんお帰り。あ!明王の兄さん!!」
「え!明王君!?」
「久しぶりだな!!」

愛媛を出てから一度も不動に会っていない実、シュリアンヌ、将は不動の姿を見て笑顔になる。
非常にうれしかったが故だ。

「来てくれたん!?」
「帰る途中、優樹菜に会って、それで」
「せやったらちょうどええ。実兄さんはよう。スキャマンダー、教科書とか直して。オリビアの着替えてき」
「「「へーい」」」

気の抜けた返事をする実、オリビア、将。
彼らを見て不動はつくづく変わらずだと思った。

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「おい兄貴!人の刺身取るんじゃねぇよ!!」

今宵のプリンス兄弟の夕飯は豪勢に刺身の盛り合わせだった。
横から実にマグロやらサーモンやらを捕られ、将はたいそう遺憾だ。
テーブルに片足を乗り出して、実にガンを飛ばす。

「てめぇが言えたことか!この前おれの肉取りやがって!!」
「うっ……」

前科があるため、将は言い返せない。

「形勢逆転だな」

不動が容赦なくとどめを刺す。

「酒の上でのケンカは見苦しいですぞ」
「「そのケンカを煽ってるのはどこの誰かなぁ?」」
「うぐっ……」

以前、実の取り分にハバネロをかけたという前科があるのでオリビアの言い返す言葉がない。
シュリアンヌは徹底して傍観者。
着物の袖で口元を抑えて笑っている。

「早く食わねぇとなくなるんじゃねぇの?」
「「「!!」」」

気づけば、シュリアンヌが恐ろしく速いペースで食べ進めている。
こんもりあった刺身がもう半分になっているではないか。

「ごちそうさん」
「「「もうええんかい!!!」」」

食うだけ食ってシュリアンヌはキッチンに立った。
食器棚からグラスを5本だし、アイスピックを握った。
どうやら後は好きに食べろと言いたいらしい。
彼女はこれからカクテルを作るつもりのようだ。
ケンカを一時ストップさせ、実、オリビア、将は食べ始めた。

「優樹菜がストーカーにつけ狙われてんのは知ってるぜ?」
「「「「!!!??」」」」

アイスピックのガン!!という音が響くと、部屋から一切の音がなくなった。
それほど不動の発言は衝撃的だったからだ。

「何でそれを…明王の兄さんが知ってんだよ……!?」
「お見通し……なのですね……」
「あぁ………」


———お見通しだアホ。

不動はオリビアの皿から鯛を一切れさらった。