二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.61 )
日時: 2012/08/23 14:19
名前: 優騎那 (ID: ZGo4Gnz1)

豪炎寺と鬼道に勉強を教えてもらってほくほくで、買い取った本を抱えてオリビアは家に帰った。

「姉君だけでしたか」
「遅かったやないの。もう夕方や」

日本人特有の黒髪に黒い目をして、青い着物に白い帯を締め、黄色いかんざしを髪に挿した日本美女が言った。
姉の魅月・シュリアンヌ・プリンスは寂しげに眉を下げた。

「申し訳ありませぬ。しかしながら、得られるものは得ておきましたゆえ、お許しくださりませ」
「何や、分かったんか?」
「はい。わたくしが持っておる刀は"友斬り"と言い、プリンスの家がかつて所有していた妖刀です」
「"偉大寿"の方はわかっとらんの?」
「はい…」

オリビアが落胆した様子を見せると、シュリはオリビアの頭に手を置いた。
オリビアは驚き、自分の頭より下にある姉の顔を見た。

「それだけ分かったんやったら、上出来や。700年も前やったら情報が少ないんも当然と違う?」
「………」
「勉強はできん。せやけど、あんたはサックスが吹ける。芝居がうまい。
誰にもディフェンスを抜かせたことがない。お経が読めるし、草書も読める。
ただ単に勉強ができるやつとは違うところで優れとるんや。
プリンス家!舐めたらあかんで!!」

シュリは悪ガキのように二カッと笑った。
オリビアは姉のこの笑顔が好きだ。
鳥肌が立つくらいに勇気づけられるこの笑顔が好きだ。

「笑うてください……」
「ん?何か言うた?」
「いえ何も」
「言わんかい!!」
「あ、姉君!!髪が…!髪が…!!」

シュリはこれでもかと言うほどオリビアの髪をぐしゃぐしゃにした。
ポロリとカチューシャがオリビアの頭から落ちた。
まるで小さな子供の戯れだ。

「な〜にやってんのお前ら…」

兄の実に呆れられて冷ややかに見られていたことも知らなかった。