二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アヴァロンコード ( No.427 )
日時: 2012/12/28 21:21
名前: めた (ID: g7gck1Ss)

 第十章 炎の精霊

—炎が山に宿り
 大地が鼓動するとき
 御使いは再び見出される


「ところで・・・」

ティアはばさばさと濡れた髪をタオルで乾かしながら言う。

背後ではラウカが焚き火を炊いて、衣類を乾かしている。

そして、ん?という風にこちらを振り返る。

「エルオス火山ってどこにあるの?」

ラウカと同じような獣の服に身を包んだティアが、ラウカにそういった。

アンテロビブネン戦ですっかり全身泥まみれになったティアは、ラウカとともに、川に飛び込み半ば遊ぶように泥を落としたのだった。

そして服を借り、すっかりきれいになった水だらけの服を乾かしているところだった。

「火山の事を聞いて、どうするつもりダ?」

服の水分がよく蒸発するように服のすそを引っ張り、火に当たる面積を増やしながら言う。

そしてくるりと振り返って、ティアの周りに視線を送る。

控えめにラウカに視線を送る精霊を見ようとしているのだろう。

「・・・それがティアの使命だから・・・カ?」

「—うん」

ティアが頷くと、ラウカは何かさとったかのように微笑んだ。

そして腕を組み、目をつぶって思い返すように。

「エルオス火山・・・一度だけ行ったことがあル」

「ほんと!?」

ミエリが良かった、という風に反応する。

轟音と火柱を頼りに歩くというのは、かなり厳しいからだ。

残りの精霊たちも、期待したようにラウカを見つめる。

ラウカは鋭い緑色の目を細め、首をかしげた。

なにやら必死に思い返しているようだ。

「・・・・」その間ティア達は、焚き火のそばでラウカのことを黙ってみている。

ここは屋外なため、たまにせかすように噴火の音が響いてくる。

分かっているよ、と悲痛な面持ちでティアは轟音に震える。

「たしか数年前、溶岩石を森に置こうと拾いにいったんダ」

え、なんで?という風に首をかしげたやからに、ウルがすかさず説明する。

「溶岩石はミネラルを豊富に含んでいますからね、養分の塊なのです」

へー、というように精霊とティアが頷くと、きょとんとしていたラウカが気を取り直して続ける。

「それで場所は、砦のそばだった気がするゾ」

「砦って・・・ワーグリス砦?」

そんなところに火山なんてあったのか、とティアはビックリして聞き返す。

ネアキを助けに行っていたとき、そばにあったとは。

「そばといっても・・・かなり距離はあるがナ」

腕を組んだままラウカが言う。

「ま、安心しロ。案内すル!」

ラウカが笑顔で立ち上がろうとした瞬間、ティアはその足が痛ましいほど腫れているのを発見した。

「ラウカ!足!」

ティアが慌てて叫ぶと、ラウカは涼しい顔で大丈夫だと言い張る。

だがウルが医者のように腫れ具合を見て眉をひそめると、ティアはますます反対した。

「骨折までは行かないようですが・・・これはヒビ、入ってますね」

「えぇー、それじゃ頼めないね!」

『…地図を描いてもらえば…?』

精霊たちが口々に言い合い、結局ラウカはやせ我慢を見破られおいていかれることになった。



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こんばんわ!時間差ですみません!!

あぁ、私もゲーム中のメモのときよく精霊たちの名前略して書いちゃってますw

そうですね!平和な世界を・・・とりあえず13章と称しているもので書きたいと思ってます!
でも、私としては悲しいから書きたくないけど・・・でもやっぱり必要な最終章、14章まで書こうと思います。