二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマGO 光の氷炎姫(アイスファイアプリンセス) ( No.796 )
日時: 2012/10/07 13:32
名前: 姫佳 ◆MWOkRuxz12 (ID: vSTPbcxr)
参照: 中間テスト期間の為、更新停止中です。

「Hanabi makes us happy?」


こんにちは、サッカー部マネージャーの奏宮歌音です。
少し涼しくなった秋の日、稲妻町では花火大会があるようで……あの6月と橘さんが放っておく訳なく。
でも6月が誘いに来た時、私と月乃さんは行かない方向だったの。

『よっしっ、歌音もつきのんも行くよね!』
『お祭りではしゃぐなんて…、子供ね…(呆)』
『楽しめる事を願ってます。』
『ちょっ!? 行こうよ!』
『あっ、キャプテンも一緒ならつきのんも行くだろーし……何ならサッカー部皆で行こうよ!』

月乃さんが、神童キャプテンを人質(?)に取られてしまったら。

『……奏宮さん、』
『分かったわ、一緒に行きましょう。』

5割戸惑いと、4割懇願と1割の脅しの目を向けられたら、そう言うしかないじゃないの。


**

「ふふふっ、楽しみだねーっ!」
「美咲、どうしたの何か……」
「すぐ分かるよ、きっと!」

満面の笑みを浮かべる橘に、天馬が戸惑いながら尋ねる。
花火大会当日の午後6時30分、集合場所。橘、水鳥、山菜以外の女子はまだ来ていなかった。男子は既に来ていて、連なる屋台を見て心を躍らせている。

「フランクフルトとかあるじゃん!」
「へー、浜野君魚肉以外も食べるんですね。」
「意外と食うぞ、鶏肉とか。」
「海鳥は魚を食べる天敵ですから……相当の恨みを持って、」
「速水も倉間も、俺をどんな風に見てるの。」
「いえっ、きっとその鳥が魚を食べたと思って間接的に」
「橘ストーップ! ちゅーか渡り鳥とかあんまり売って無くね? 普通鶏肉ってニワトリじゃね?」

「「渡り鳥の肉が食べたいのなら……え?」」

その時割り込んできた少女2人の声が、重なる。
話をしていた橘達、そして神童たちまでもが振り返った。偶然口から出てきた言葉が同じだった少女2人も、顔を見合わせてきょとんとしている。
1人は雷門イレブンの一員、歌音だった。しかしもう1人は見知らぬ美少女。そして周りに居るのは4人のマネージャー、水鳥と山菜、葵と月乃。全員、浴衣姿だった。

「……ちゅーか、俺渡り鳥の肉を食べたいなんて一言も言ってないし?」
「そうですか。」
「歌ちゃん、その子誰っ?」
「……遅れてすみませ」
「ごめんなさい歌音さん今日はあだ名封印しときます。」

即座に頭を下げる橘に、多くの部員が苦笑する。
きょとんとする美少女を歌音は振り返ってから、サッカー部に紹介した。

「彼女は白炎輝姫さん。輝姫さん、私たちの所属するサッカー部の皆さんです。」
「は、初めまして…。白炎輝姫です…。」

サッカー部の人数の多さに圧倒された輝姫は、上ずった声であいさつした。
そこで神童が全員を代表して疑問を投げかける。

「白炎さんは、どうして……」
「はぐれたのだそうです。」
「「え?」」

あっさりと答えたのは、月乃。

「オ、オレンジの髪と緑色の目の中学生、見ませんでしたか?」


沈黙が、流れた。




「すごいすごいっ! お祭りって色んな物売ってるんだねーっ!」
「はしゃぐな……」
「だってあたしっ、お祭り初めてで!」

輝姫の連れ探しが始まった、にもかかわらず先頭の橘は周りの屋台に目を奪われている。

「あ、そういえば何で美咲だけ浴衣じゃないの?」
「逃げたから?」
「「おい。」」(Byハンター&ピカチュウ)

サッカー部の列の中間あたりに居るマネージャーたちを振り返る。全員が浴衣を着ていた。
月乃は白、歌音は紫、輝姫はピンク。山菜は黄緑、葵は水色、水鳥は緑色……ギャグじゃないです。←ギャグだけど
マネージャー3人は音無先生の知り合いが着せたのだそうだ。

『ねー、ほんとにフリフリ着てくれないのー?』
『あの……普通のでお願いします。』
『一応部活で行くの、お願い!』
『ぶー。』

葵と音無先生が重ねて頼むと、知り合いは折れた。

「月乃ちゃんと歌音ちゃんと輝姫ちゃんのも、似合ってるね。」
「この浴衣…、従姉妹のお姉さんが着せてくれたの。」
「全く…、浴衣なんて動き辛いのに…。(ティアラ姉、何考えてるのかしら…。)」
「メイドの方に着せられました。」
「……3人共、着せられなかったら着なかったのか?」

水鳥の言葉に、後者2人は頷くが。

「いえっ、可愛いからお気に入りで……着たかったんです♪」
「……奏宮さん、温度差が。」
「仕方ないわ。彼女はどちらかと言うと橘さんと相性がよさそうだもの。」
「え、それってあたしとつきのんは相性が良くないってコト!?」

橘が若干ショックを受けたらしく歌音にしつこく食らいついていた。
月乃は2人から視線を逸らし、屋台を眺め始める。特に食べたいものもなく、クジにも興味はなく……だったが。

「あ、あのプラスチックの貯金箱、あの子に似てる!」
「……西園君?」
「それと、あれ。」
「電気ネズミの貯金箱?」

輝姫が示したのは射的の景品、ピカチュウの貯金箱。
歌音がふき出し、月乃は似ているのかと西園の後ろ姿をじっと見た。

「あ、射的だよ信助!」
「ホントだ! 天馬、あの3DS取って!」
「? 自分でやればいいのに?」
「だって背低いから届かなくて。」
「ぶっとびジャンプすれば届くよ!」
「あははっ、狙い撃ちは出来ないと思うけど(笑)」

「「「……」」」
「そういえば、ああいう景品は取られないようになってるから多分取れないと思うよ。」

天馬たちが必殺技云々ウンヌンを本気で言っていたのかどうか、気になる3人だった。

「えー……ずるいね、射的って。何かイライラするからやってこよっかな。」
「? 橘さん?」

100円玉を数枚取り出して、橘は屋台の男の人に渡す。
そしてイライラを隠さないまま乱暴にコルクを詰め、ゲーム機を狙って引き金を引き——。

『ドォンッ』

異常な銃声を響かせた。

「あ、ゲーム機大丈夫かな。やっぱりこの位の加減は細かくて難しー……。」
「ええっ!? 美咲が倒した!?」
「どんな裏技使ったの!?」
「普通にやっただけだよ♪はいっ、ゲーム機!(あー聖力って便利!)」

手に入れたゲーム機を渡す橘の顔は、ものすごく晴れやかだった。
しかしその後、聖力を使わず自力でやってみるととんちんかんな場所にしかいかない。簡単なお菓子を狙ってみると、なぜか隣の隣のお菓子が倒れた。まぐれで手に入ったお菓子は、友好の証にと輝姫の手に渡った。

「あたしこれ苦手なんだ。」
「嫌いな物押し付けるって失礼よ?」
「も、貰って良いの……?」
「貰って貰って!」

それを受け取った輝姫は、微笑みながら“ありがとう”をうたうように伝えた。



ふと、彼女達の前を歩く狩屋が立ち止まる。

「あれ……」
「ん? あーっ、この近くにあるケーキ屋さんの出張だ!」
「ああ、そこなら良く行く。確かドーナツが美味かったな。」
「!」
「ドーナツ好きって霧野先輩女の((「母さんが好きなんだ悪いか。」
「親思いなんですね! お母さんの事が大好きって!」
「Σ違うっ!!」

否定されても、輝姫はニコニコと笑う。

「……ドーナツ、食べてみたいです。」
「! そうだな、買いに行くか。」
「白炎さんも、行きましょう?」
「うん……1つ言っていい?」

どうぞ、と皆に返事してもらって、輝姫は小さく息を吸って……。

「ドーナツは俺の嫁!!」

宣言した。

「「……」」
「……どのドーナツが良い?」
「月乃さんスルーなの!?」
「とにかくドーナツ好きなの!!」
「会話成立してる!?」
「……分かった。」
「答えとして認めるの!?」
「うるさいわよ6月。」

頑張ってつっこんでいる天馬君です。
しかし月乃はスルーし、その店の方へ向かいドーナツを選定開始。神童もそれに気付くと、ツッコミの嵐を放置して歩き始める。

「よしっ、じゃあお嫁さん買いにいこーっ!」
「うん!」
(あのクレープ好きを思い出すわ……)

天馬達はドーナツに胸躍らせて走って行っていたため、美咲もテンションを上げて追いかける。そして輝姫も歩き始めた、時。

「ふぇっ!?」
「「!」」

ぐらり、と輝姫の体が揺れて橘が反応した……刹那。

「危ないなー、輝姫は。」
「ほぇ!?」

危機を救ったのは、

「あーっ! 太陽!?」
「やあ、天馬。」

豪炎寺修也の跡継ぎでした。……あれ、10年に1人のストライカーってそういう事だよね?←

「輝姫! 知らない人について行っちゃだめじゃないか!」
「え!? 連れって保護者だったの!?」
「ちっ、ちが……」
「輝姫の彼氏です☆」
「えー、太陽って彼女居たんだぁ!」

「お買い上げありがとうございましたー。」
「月乃さん、普通に買い物できる状況じゃないわよ?」
「はい、奏宮さんの分。」

お店と約10メートル離れた所では、思わぬ連れ発見騒ぎが。
月乃はそれを認めると、ドーナツが数個入ったビニール袋から1つ個包装されたドーナツを取り出しながら、騒ぎの方へ。

「とりあえず天馬、ウチの輝姫がお世話になったね!」
「正直あんまり喋って無いや。」
「え、射的でチョコボールあげてたじゃん。」
「それだけ。」
「ま、待って太陽、嫁が……」

転ぶのを救われた後、手を握られたままで身動きが取れない輝姫がドーナツので店の方へ行こうと抵抗するも……動けない。

「もうすぐ花火始まるんだから、人ごみから離れないと良く見えな((「白炎さん。」
「!」

諦めかけた輝姫の前に差し出されたドーナツ。

「……」
「あ、ありがとう!」
「じゃあお礼はまた会った時に。」
「じゃーねー太陽!」
「うん、カップルのお時間は大切に!」
「何を言い出すのこのピカチュウ。」

輝姫がパーティーから離脱した!▼


**

「あうぅ幸せ……!!」
「……」
「? 太陽?」

ドーナツくれるなんて、本当良い友達が出来た……!!
と、私は苺チョコのドーナツを大切に食べながら太陽の隣を歩いてます。でも太陽は黙っていて。そう言えば私謝って無かった。太陽の歩くペースについていけなかったのが原因でも、謝っておいた方が……。


「!」
「捜したんだよ、輝姫の事。」
「はぅ……」

目にも捉えられないスピードでドーナツを没収された……!! ついでに太陽に食べられて……。

「でも太陽歩くの速い……」

少し行った方が良いかな、と思った時。ヒュルル・・・って、もしかして花火が打ち上がる音!?

「あーっ! おにーちゃん達、かんせつチューだー!」
「「…………」」

小さい女の子が、私達を指差して何かを言った。……え、花火が打ち上がった音で聞こえた様な聞こえなかったような……。
カン……寒中?

「……あっち行こう。」
「えっ、」

何か太陽、焦ってる……?

私の前を速足で歩く太陽の耳は、真っ赤に見えた。

……花火に照らされたら、赤く見えるの?



その頃の雷門組。

「……この緑の花火、青のりみたい。」
「月乃さん、橘さんに悪い影響を受けたのね?」


* おわり *
伊莉寿に素敵な短編を書いて頂きました!!
太陽超可愛い!!おい輝姫、そこかわr((殴byティアラ
後、杏樹ちゃんと美咲ちゃんの浴衣姿に萌えた^p^
この2人、お持ち帰りいいですk((ティアラ「死ね。」

輝姫「伊莉寿さん!ありがとうございました!!」