二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

♯第一話の続き ( No.2 )
日時: 2012/08/21 18:50
名前: 黒狼架蒼月 (ID: DkN/A4kL)
参照: ついに再びやらかしてしまったよ…orz

「アリサー!」

暫く時間が経つと一階から母がアリサを呼ぶ声がした。
部屋の壁の厚さが薄いので少し響く。其の振動でアリサはゆっくり目を覚ました。

「アララギ博士が貴方を呼んでいたわよ! 多分急用かもしれないから早めに行っときなさい」

そこで母の伝言が途切れる。
可愛らしい寝息を立てて眠るエルフーンを即ボールに戻してから先に急ぐ事にした。
アララギ博士の研究所は遠くなく、寧ろ誓い場所に建てられてある。アリサと幼馴染のチェレン、ベルの近所に。

「ま、遠くないしね。 ゆっくり行きますかっと…」




「いらっしゃ〜い、よく来てくれたわねぇ! 特にアリサ!」
「ちょッ…博士…、アタシャ不良じゃないんですよォ?どっかの〝誰か〟と一緒にしないで下さい」
「ご、ごめんねェ…(汗)///」
「ドンマ〜イ☆アリサ」
「ベル、悪ノリするなよ」
「てへペロ☆」

オフザケが長引いてしまったので、アララギはコホンッと咳払いをしてから机の傍に三人分置かれた小型機械をそれぞれ渡した。
渡されたモノは———

「じゃじゃーん!ポケモン図鑑でぇす☆」
「…。」

何と渡されたモノは、出逢ったポケモンのデータを記録してくれるハイテクグッズの『ポケモン図鑑』だった。
其れを渡された瞬間、アリサは何かを悟った。大袈裟だがコイツは何か企んでるな、と。

「…アララギ博士、何此れ」
「ポケモン図鑑よ」
「それで、私達に一体如何しろと…?」
「旅で見つけたポケモンを全記録して来てほしいのよ」
「却下ァッ! 面倒臭ェんな事!」
「反対意見は認めないぞッ☆」
「何処のア○リカだよ…!!!」

アリサの予想は当たっていた。
嫌な予感というのは大袈裟かもしれないがポケモン図鑑を持って全ての地方を歩き回り全部を記録するというシンプルだがとてもハードな頼みだという事を。
因みに此れは強制参加。アララギ曰く、〝反対意見は認めないぞッ☆〟

「因みにこの旅には超プレミア特典が付いてまぁす♪」
「…。」

どうせその辺の駄菓子屋で買った和菓子か何かだろ。とボソリと悪態をつくアリサ。

「ジムリーダーに挑戦しても可!コンテストに参加しても可!要するに、色んな施設で遊び尽しても良いって事よッ!」
「ッ、」

『遊びつくす』の単語にアリサの顔は明るい表情に変わり、興奮状態でアララギの両肩を掴んで激しく揺すった。

「マジでかッ!? 良いんスかッ?!」
「息抜きも必要でしょ? 良いわよ♪」
「あざーっすッ! んじゃ、アタシは先に行きますわー」
「いってらっしゃーいッ♪」

アリサは研究所の扉を荒々しく開け出て行った。
やれやれ、とベルもチェレンも苦笑い。
だけど、研究所を出る時のアリサの笑顔は太陽の様に輝いていた瞬間を三人は見逃さなかった。




another title/[新しい物語を紡ぎ出す歯車]