二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ♯第二話『カラクサタウンの事件?』 ( No.6 )
- 日時: 2012/08/21 18:49
- 名前: 黒狼架蒼月 (ID: DkN/A4kL)
- 参照: ついに再びやらかしてしまったよ…orz
「では、これからポケモン達の治療に励みます。 手持ちのポケモンをボールにしまってこの台に置いて下さい」
状況が落ち着いた頃、この病院の責任者であり看護婦でもあるジョーイが指示を出した。
言われた通りトレーナーは怪我した全てのポケモンをボールに戻すと台に乗せた。
「では、確かに御預かりしました。 あの傷では恐らく数時間かかると思います」
そう言い残し台を押すタブンネと共に即座に手術台に向かって行くジョーイの姿を見たトレーナー達は安堵の胸を撫で下ろしている。
アリサもこの光景を見て安心な笑みを浮かべた。
「さてさて、んじゃま先を急ぎますかッと…」
「待ってくださいッ」
「シマさん?」
去り際にアリサの腕を掴むシマ。
「まだ御礼をしてません!」
「いや、良いって別に…」
「メープルちゃんを助けてくれた恩返しがしたいんです!」
「ッ…」
*
「このケーキ美味ェ!」
「生地にラムとモモンの実を練り込んだ特製ケーキです♪ お代わりありますのでドンドン食べて下さいね?」
「なぁなぁ、テイクアウトしてもOKか?」
「ハイッ、旅のオヤツにでもどうぞ」
シマからの御礼で特製のケーキと紅茶を御馳走になっているアリサ。
女とは思えない大食い娘だが、仲間の分も取っておく。
シマとの御茶会は2時間も続いた。
*
「アリガト、とっても美味しかった」
「それは良かったです」
「…。」
アリサは腹を撫でながら柔らかな笑みを浮かべるが、直ぐに真剣な表情になった。
「ねぇ、シマさん。
ヨーテリーが言ってたんだけどアンタがヨーテリーを庇って逃がしたっていうアレ、何の事なの?」
「ッ、実は…———」
突然シマが立ち上がったと思えば徐に上着を脱ぎ、肌を露出させた。
思わず目を見開くアリサ。
何とシマの背中には無数の爪跡が残っていて見るだけでも痛々しかった。
「何だよこの傷はッ、」
「此れはあのミネズミ達に付けられたものです」
「えッ、あのさっきの奴等が…?」
「御話しましょう」
数日前の事なんですけど…
私はメープルちゃんと楽しく町を御散歩していました。
何時ものと同じ道を歩いていると普段見る事の無い光景を見たんです。
私の目の前に一匹のチョロネコが現れ、何か物欲しそうな瞳で此方を見詰めてきました。
その時丁度御昼用のモモンとオレンの実を詰めた籠を持ち歩いていたんで一つ差し上げようと近付いたら
今度は横からミネズミが飛び出してきて持っていた籠を奪って逃げ去っていきました。気付いたらチョロネコも居ませんでした。
きっと二人はグルだったんだと思います。
其の日から毎日ミネズミとチョロネコは仲間を引き連れ私物…といっても主に食べ物ですが奪い取っては逃げていました。
今日みたいにポケモンセンターやフレンドリーショップに現れたりしていました。
…今日私はメープルちゃんの為にケーキを作ったんです。勿論メープルちゃんは喜んでましたよ。
でもメープルちゃんが其れを口にしようとしたその時、あのチョロネコが現れたのです。ケーキを奪おうとメープルちゃんに襲い掛かって来ましたがメープルちゃんは負けじと立ち向かいましたが全く歯が立てず、やられてしまいました。
メープルちゃんが動けない状態というのにミネズミ達はまだ襲い掛かろうとしました。
どれだけ食べ物に目が眩んだのかがよく分かりました。
襲い掛かる二匹。私はメープルちゃんのもとへ急いで駆けつけました。駆けつけた時はさっきの背中みたいな傷が付けられていました。
それでもまだ襲い掛かろうするので私はメープルちゃんに出来るだけ遠くへ逃げるよう説得しました。
庇った御陰かあの子のダメージが少し和らいでいました。
言いたい事が分かったのかメープルちゃんは急いで逃げました。
「ふぅん、成る程ねぇ。アイツ等は泥棒ってか…」
「あ、ハイ…。 泥棒を働いているのは何か理由があるんじゃないかと思うんですけど…」
「…。」
「あ、あの…アリサさん?」
「アタシが、其の謎を突き止めてやるよ」
「えッ、」
「アイツ等に何か理由があるかもしんないだろ?だったら調べるまでよ。
んで、もし悪意があったらアタシのエンブオーの【火炎放射】をおみまいしてやるよ」
「えッ、でも…」
「心配すんなって、必ずやり遂げてみせるからさ。なッ?」
「…じゃあ、御願いします! この町の平和を護って下さい!」
「おぅ、任せとけって!」
こうしてアリサ隊長(自称)の泊りがけの名推理?が始まった。
勝つのはアリサか。
そして、ミネズミ達の理由(しんそう)とは一体何なのか。
*
another title/[何処かに真実の落とし穴がある]