二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.102 )
- 日時: 2012/11/30 01:11
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: 4HUso7p7)
- 参照: 第二篇/Silent Saneness (狂者は嗤い乍ら泣き喚く)
「二人とも止めてッ! ピット、あたしは大丈夫だから! クレイジーも、貴方何の為に此処を残したって言うの!? この場所で何か決めたことがあるなら、この場所に何かあるのなら、それを貫いてよッ!」
気が遠くなるほどの震顫(しんせん)に、必死で上げた叫びが、自分の耳から聞こえない。しかし、私が叫んだ後の痛い静けさは、労働を放棄した耳が良く拾う。
脳裏にじりじりと焼け付きながら響く、心が凍てつくような静寂。
本能を炙る、恐怖と言う名の業火を身に受けて、無意識のうちに息は浅くなっていた。
「……くっくっくっく……あっはっはっはっッ! ホンットバカだ、ホントにバカだよシスター! こんなよ、こんな今から血に塗れようかってェ戦場のド真ん中で、そんなこと高々叫ぶ奴始めてだッ! ホントもう最ッ高、ホンット面白ェ奴だお前ッ!! ああ、ロンリーにソックリだなそういうトコもッ!」
肩で息を吐く私を挟み、高らかな笑い声が、ようよう働き始めた耳に遠く響く。クレイジーのものか。
心底愉快げな声はまだまだ続く。
「っくくく……運が良かったなァ、ピット。シスターが止めなけりゃ、今頃お前、死んでもう一回エンジェランドに帰るところだったぜ? そう言うワケだ、うら若き女の子を驚かした以外、俺ァ何もしてねェ。何かする気も今はねェ。さっさと仕舞え、そんなもん。こんな所で血を流すのは、馬鹿馬鹿しい!」
破壊神の左手は、拳銃の形を解いた。指先に光っていた、人を殺すための青い光も、同時に潰えさす。
「小夜子さんが、そう思うのであれば——僕は仕舞うけれど」
何時の間にやら地上に降り立っていたピットも、ぶつくさ言いつつ、一度は分解した神弓を再び一つに。未だ解けぬ厳しい警戒の中で、クレイジーは笑みを貼り付けたまま、彼の澄んだ蒼い瞳に背を見せた。
身構えるピットの眼前で、彼は左手の人差し指を天に向け、地面と水平にゆっくり一回転させる。
「今度会うときは俺の敵だぜ、シスター。それまで精々、生き延びろ」
一瞬、全ての風が彼の周囲に集まって——
私が瞬きした後、もうその姿はなくなっていた。
To be continued...
別に余裕ぶっこいて背中見せてるわけじゃないんですよ。
どっちかって言うと、敵わない相手と対峙して「ヤバい」ってなったときのニュアンスに近いです。
何しろ、この前でメンバーにフルボッコされてますからね……フルボッコし返してますけど。