二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.113 )
- 日時: 2012/12/11 21:50
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: 4HUso7p7)
- 参照: 第三篇/Like Wolf or Like Me? (泣き虫の傲慢)
コンピュータが喋るのか? しかもこんな流暢に。
脳ミソから「?」が溢れ出すのは当たり前。ややもすれば耳の穴からも疑問符が飛び出し、挙句目玉までハテナマークになりそうだけど、流石にマリオが待ちぼうけしているので、質問も兼ねてちょいちょいと肩をつついた。すぐ気付いてこっちに目を向けてくる。喉は……まあ、大丈夫か。
「どう、落ち着いた?」
「何とか……それよりもその、何か変なメールがあたし宛に届いてたんですけど」
ん、と首を傾げる彼に、受信機を開いたまま渡す。それをマリオは受け取らず、半目で一瞥すると、ジェンのことだね——とさも分かり切ったように深く何度もうなずいた。そして、相変わらず疑問符を垂れ流し続ける私に、少し苦笑しながら解説を入れてくれる。
「まあ、メールの文面どおりといえば文面どおりの話かな。信じがたい話かもしれないけど、彼は感情を持ったコンピュータなんだよ。それも、人間にかなり近い感情の持ち主」
「感情って、笑ったり、怒ったり? それに彼って」
『あっち』じゃありえない話なだけに、ついていくので一杯一杯だ。私の矢継ぎ早な問いに、マリオは中々好奇心旺盛だねえ、と少し困ったように笑って、一つ首肯した。
「まあ近いことはするね。お相手は知らないけど、割と恋愛もするみたいだよ? 後彼って言うのは、受信機に出てきたときの格好が男みたいだから、皆で仮に「彼」って言ってるだけだよ。本来性別はないし、ジェン自身も性別は無いって公言してるしね」
「何でその——ジェンは、感情を持ったんでしょうかね」
僅かな言葉の切れ目。横目に見ると、マリオが小さく眉根を寄せて斜め下を見ていた。
「いや、ジェンには生まれつき感情があるんだよ。ある程度のことを自分でこなせるようにってね。マスターはあの通りてんてこ舞いしてる人だから。ただね、こんなに人間らしい感情は最初持ってなかった。スマッシュブラザーズの結成されたときからジェンはいるけど、今みたいに流暢なメールは送ってこなかったし」
「それじゃあ、どうして」
「それこそ、感情があるから……かなあ。ジェンは管理の補助用コンピュータで、地下二階にあるマスターコンピュータのデータを保存してるんだ。そのデータを色々見てる内に、外の世界が自分の持ってるこのプログラムでどう変わるのか、そもそも外の世界とは何なのか、興味が湧いたんだろうね」
ジェンはものすごく好奇心旺盛な性格だから、と一言付け加えて、それきり彼は貝になった。それ以上は知らない、と言いたいのか、それとも早く行こう、と暗に告げているのか。
どちらもだと私は捉えよう。
To be continued...
喋るコンピュータについてのお話。第四篇までのつなぎです。
ジェンの感情は処理中に起こったバグから細分化されたものですが、一応マスターがゼロから書き起こしたプログラムによるものが感情の基盤です。
自分そう言う知識が皆無なので詳しい話は出来ませんが、人間の感情をプログラムでここまで書き起こしたマスターもどうか褒めてやって下さい。