二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.116 )
日時: 2012/12/15 22:50
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: 4HUso7p7)
参照: 第三篇/Like Wolf or Like Me? (泣き虫の傲慢)

 なんて、色々考えていたら、ドクターのときと同じようにカービィが駆け寄ってきて鍵に飛びつこうとし始めた。あの時は此処で私が開けたけれども、その私は外に居る。代わりに出てきたのは、深緑のジャンプスーツめく戦闘服だけを着た、何処か厳しそうで、何処か軽薄な雰囲気の狐——もとい、フォックスだった。
 「やっとリーダーのご帰還か。ピットがキリキリ舞いしてたぜ、マスターとメンバーとの板ばさみで」
 窓を開け、呆れたように肩を竦めて笑うフォックスの横を抜けて、マリオも帽子の鍔を摘みながら笑う。自分も部屋に上がり込んで、お二人さんを観察。
 ……うぬ、二人とも中々悪い顔だ。と言うより、素が出ている。仲がよろしいのでしょうかこのお二人。
 「そりゃーどうも悪かったね。女の子の扱いには慣れてないんだ」
 「馬鹿言え。試合に出る度キャーキャー女の子から黄色い声援貰って、バレンタインの時には全メンバーの中で一番チョコレートを貰って帰ってくるのは何処のどいつだ?」
 うむ、仲良しなようです。
 ってか、モテまくってるんだなこの配管工。しかもバレンタインあるんだこの世界。
 「さあねえ? 結局のところ全部ヨッシーがフォンデュにするんじゃ、数えようがないや」
 全部て。全部て! 他のメンバーもそこそこ貰うだろうに、そんなことしたら何人分のチョコレートフォンデュが出来上がっちゃうんだろうソレ。あ、でもカービィが居るからいくらあっても足りないのかな。
 「嫌味だな。ピーチ姫のチョコレートはきっちり取り分けて食べるくせに」
 「ピーチ姫をクリスタルに変えて、そっくりそのままお返しするよ」
 口舌合戦、勝者配管工。フォックスも負けてはいないが、彼の方が一枚上手だったか。負けた、と言うように溜息をついてフォックスはがしがしと頭を掻くと、憂さ晴らししてくる、とだけ告げてリビングから出て行った。
 「そう言うつもりじゃなかったんだけどなぁ……ま、いいや」
 いいんかい! と言う突っ込みはきっと無しの方向で。私の見ている横で、マリオはひょいとこともなげに帽子を取り、うんと大きく伸びをしながら退室していった。ロクヨンといいギャラクシーといい今のといい、最近彼の帽子は脱げやすくなっているような気がする。まさか、もう髪の毛を心配する年齢なのか?
 ——これもきっとスルーの方向で行くべきなのだろう。
 欠けた口から漏れる溜息は、しばらく止まりそうにない。

To be continued...

『こっち』の行事の日は基本的に『あっち』と同じ。ただし、日本のようにこまごまとした国民の休日などはありません。
ちなみに、『こっち』に於けるクリスマスはマスター達神の誕生日であり、神様の誕生日は十二月二十一日。
自分が自分であると認識するまでに三日、世界創造に七日、休憩に一日なので、大晦日から数えて十一日のこの日がクリスマスです。