二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

灰色 ( No.36 )
日時: 2012/09/13 18:55
名前: 兎欠 (ID: vj3b3W/M)
参照: http://nanos.jp/zotbox77/

24. もうすぐ




携帯の時刻をチラリと横目で見る。



待ち合わせ時刻まであと10分

最近買い換えた携帯は、折り畳み式ではなく、iPhoneの最新型。
だからと言ってゲームをしている訳にはいかない。
愛しい彼女の姿を目に映りこませる為に俺はすぐに元ある場所へそれを戻した。

そんなことを考えていると、前方に夏生の姿を見つける。




「夏生!」


夏生は俺に気づくと駆け足で近づいてくる。



「高尾くん、早いね」
「彼女待たせる訳にいかねーじゃん?」

「大好き」



俺の左手に絡む夏生の細くて小さい手。



「手、冷てーじゃん」
「今日も寒いからね〜」



他愛も無いことを喋りながら向かう駅までの道のりはバレンタイン一色単で甘い香りがした。

たまに夏生は通り過ぎる店を眺めて「あれ高尾くんに似合いそう」とか言いながら笑った。


少しだけ赤く染まっている鼻先
昨日の学校帰りと変わらない色のイヤーマフラー。
赤チェック柄のマフラーはピンクのピーコートに合わせたベージュ色に変わっている。





そう言えば、夏生の誕生日、もうすぐだな