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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 薬指 ( 黒ばす長篇 ) ( No.60 )
- 日時: 2012/12/03 17:09
- 名前: 兎欠 (ID: vj3b3W/M)
- 参照: http://nanos.jp/zotbox77/
01. Scherzando
太陽に照らされたアスファルトが熱を帯びる午後2時
流れ出る汗を拭いもせず私はとにかく走った。
『小春、遅刻は厳禁だぞ』
メールにも関わらず強迫的な内容を送りつけてきたあの人の姿を見つけて、逃げたくなる気持ちを押しつぶす。
私の姿を見つけるなりいつもの無表情でじっと汗だくで走る私を眺めている。
鳥肌がぞわりと立つのを感じた。
「小春」
数メートルの所まで来てピタリと足を止めた私の名前をいつもより低い声で呼んだ。
「せいじゅろーさん、ご、ごめんなさい。遅れてしまって・・・」
視線を落とす
せいじゅろーさんこと、赤司征十郎は俯く私に近づく
そして私の手を取ってぐっと引き寄せた。
腰に回るがっしりと鍛えられた征十郎さんの腕
顔を上げるとまだあどけなさが残るオッドアイの瞳に吸い込まれそうで
「小春、きみ、遅刻をした上に指輪がつけていない」
「・・・・・・ふぇ?」
「躾のなっていないお嬢様には、お仕置きが必要なようだ。」
( ちょっ、えっ、せいじゅっ・・・!! )
( 黙りなよ。公の場でお仕置きされたいの? )
Scherzando(伊)【たわむれるように】
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