二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 怪盗クイーン×デュラララ! 桜石は夕日に染まる ( No.13 )
日時: 2012/11/19 08:35
名前: 秋桜 ◆SVvO/z.cC. (ID: uMmok.3B)

第1章

4ICPO

此処はICPO。
そして、ある一室に二人の探偵卿が向かい合わせに座っている。一人は男。それも大柄なドイツ人、ヴォルフ・ミヴ。そしてなぜか長刀を腰に差している。もう一人は小柄な女性、ルイーゼ。何時も笑みを絶やさない女性である。唯一ヴォルフが頭が上がらない人物である。
不機嫌そうなヴォルフの様子にルイーゼは笑みを浮かべ、ヴォルフに告げる。

「ヴォルフちゃん。クイーンの予告状がとどいたわ」

「……!!本当か!?どこだ!」

ヴォルフは体を机から乗り出す。
殺気をみなぎらせたヴォルフにルイーゼはやさしく微笑みながら告げる。

「東京都の池袋よ」

ホワイトボードの地図を指差すルイーゼ。その指先の位置は寸文の狂いもなく池袋を指差していた。

「わかった。すぐ行く」

自室へ戻ろうとするヴォルフにルイーゼは付け加えた。

「仙ちゃんにも行って貰うわね。貴方達、最高のコンビだから」

「なっ……!オレ一人で十分だ!」

顔中を冷や汗だらけにして否定する、ヴォルフ。

「あらあら……もう電話しちゃったわよ」

笑顔で……だが何処か黒さのある笑みでルイーゼは断言し、ヴォルフはさらに不機嫌になった。

「……あいつはどこだ」

「仙ちゃんはもう日本よ」

「……はぁ!?」

「電話したらどうやらコンビにで、アルバイトしてたみたい」

ヴォルフは、いっその事コンビに店員にでも永久就職してしまえと思ったのだった。

「じゃあ、いい報告待ってるわね」

どこか逆らいがたい笑顔でルイーゼは断言した。
やっと開放されたかのようにヴォルフはほっとして自室へ帰ろうと扉を開けた。そのときヴォルフは一つ聞いていないことを思い出した。

「おい。宝石の持ち主は……?」

「それがね……データがないのよ」

「はぁ?」

「まぁ、とにかくついたらわかるでしょう」

長く続きそうだった話を一気に終わらせたルイーゼ。
その表情は何処か怯えていてヴォルフはそれ以上追求するのをやめた。

「じゃあ、クイーンをとっ捕まえて帰ってくる」

長刀を軽く握りヴォルフは日本へ行く準備を始めた。
ヴォルフがいなくなったとある部屋にルイーゼは小さくつぶやく。「気をつけてね……ヴォルフちゃん」机の上には二枚の写真が置いてあった。
一枚は短髪で不機嫌そうにしている色の白い青年。
もう一枚はストレートの髪を下ろし楽しそうにピースを向けている色白の少女。どちらもおそらくは日本人。
その下にはWhat aims at a cherry tree(桜を狙うもの)とついていた。ルイーゼはその二人の写真を機密書類が入っているファイルにはさんだ。

場所は変わり日本の成田空港。
少女と青年は大きなキャリーバッグを持ち、日本に降り立った。

「さ、やっと場所がつかめたね」

「そうだね龍。あいつちょこまかちょこまか逃げすぎ。だけど、今度は絶対逃がさない」

「そうだな。今度こそ……」

二人は池袋へと歩みを進めた。