二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 怪盗クイーン×デュラララ! 桜石は夕日に染まる 400突破? ( No.19 )
日時: 2012/12/26 12:27
名前: 秋桜 ◆SVvO/z.cC. (ID: uMmok.3B)

第1章

6宝石

一人の老人は美しい宝石をもう何日も眺めていた。
部屋の明かりは何日も前からつけられており、日中日当たりのよい老人の住む部屋では無用であった。

「美しい。何と美しいのだろう……」

壊れてしまったかのように何度もつぶやく老人。眼には光が宿っておらず、その顔はまるで人形のように血の気が引いていた。
無造作に投げ捨てられた衣服類。机の上に転がるカップラーメンのゴミ。そして、老人の近くに積み上げられた書類の山。書類の山は老人がそれなりの地位があることを表していた。寒いくらいに設定された冷房の風がそれを倒しても老人の眼は宝石から動かない。

その一日も老人は宝石から一度も眼を離さなかった。


場所は変わりクイーン達が降り立った池袋のとある公園。

「クイーン。何故この格好なんですか?」

疑問と殺気と怒気を含んだジョーカー。この短い言葉の中にそれだけの感情を含ませられるのはある意味器用である。そして、ジョーカーの服装の描写をあえてするなら……バーテン服で金髪で、ブランド物のサングラスである。
その隣でニヤつくドレッドヘアの男……要するにクイーンである。

「仕方ないじゃないかRDが用意してくれたのがこれしかなかったんだ」

彼らはまだ知らない。
バーテン服が何を示すのか。
池袋最大の喧嘩人形のことを……

場面は変わり、とある情報屋が歩いていた。
彼、折原臨也はコートをはおり、その上にフードをかぶっていた。フードの下の表情は一言で表すならば新しいおもちゃを与えられた子供。
まだ、コートはいらないというこの陽気。そのような天気の中で彼の格好は目立った。
彼はフードで半分隠れた瞳を楽しそうに細めながら一言つぶやく。

「なんだかとても面白くなってきているねぇ……」

彼はとある公園の前を通り過ぎる。その視線がバーテン服を着た男へと向けられる。

「あれは……シズちゃんじゃないか。今日はなんて運がいい……」

臨也はバーテン服とドレッドヘアの男へと近寄る。

「クイーン。あの方は何でしょう?」

「さぁ。でも、かなりの敵意は感じるねぇ……と、言うわけで任せたよジョーカー君」

「何で僕なんですか?」

「私は疲れているからだよ」

クイーン、もといドレッドヘアの男は手をひらひらとふる。そして、思い出したかのようにつけたす。

「彼の敵意は君に向けられてるしね」

そうつぶやいたときにはすでにドレッドヘアの男は公園の樹木の陰にいた。
ジョーカー、もといバーテン服の男は大きくため息をついた。
バーテン服の男の前にゆっくりとした足取りで歩み寄る臨也。旗から見れば友好的な微笑を浮かべている臨也。だが、ジョーカーはその裏にある敵意を感じ取っていた。

「やぁ。シズちゃん」

臨也は笑顔で蹴った。