二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻影の女王と生命の女神 【ニノ国】 ( No.11 )
日時: 2012/09/09 20:13
名前: 皐 ◆swXjIsa.RY (ID: 46h1u6ru)

四話 『ニノ国で』

そっくりさんが去った後、マークが声を掛けてきた。

「オリバー、さっき誰と話してたんだ?」

「え?あ…独り言だよ!」

「『隣にいるシーナ』に聞いてもらってたのか?」

隣にいるシーナ?私のこと?

「私はレノです。シーナじゃないです」

マークに言うとありえないという顔をした。

「それじゃあ、ラリッサ?」

だから違うと言うのに…
オリバーたちの方を見ると、驚いた顔をしている。

「どうしたの?私の顔になにか付いてる?」

「いや、付いてないけど…。マーク、レノが見えてるの?」

「そこにいる女の子の事だろ?バッチリ見えてるぜ」

「シズク、どういう事?」

「普通、俺らニノ国の住人は一ノ国のやつらには見えんはずや」

それなのに私が見えてる?
どういうこと?

「…とにかく、ボクちょっと用事があるからまた今度ね?」

「おう」

マークと別れ、アリーさんのところに来た。

「母さん、レノはニノ国の住民でこのホットロイトの人達には見えないはずだよね?」

「え?ええ、そういうことになるわね」

「さっきマークに会ったらレノが見えてたみたいなんだけど…原因ってなに?」

アリーさんは少し考えて言った。

「その子が元々一ノ国の人か、相当の精神力(魔法力)があるかのどちらかだと思う」

きっと片方は違うと思う。
私はあの家から出た事なんて一度もない。
精神力…はわからないけど。

「一ノ国で考えとってもしゃあない。一旦、二ノ国に帰るで」

「うん。母さんは待ってて。また帰ってくるから」

アリーさんは頷いて、オリバーに行ってらっしゃいと言う。
オリバーはアリーさんに行ってきますと返した。
あの日のことが蘇ってくる。

『それじゃあ、行ってくる!お留守番、よろしくね♪』

『うん。任せといて!』

留守番、よろしくって言われたんだけどな…
それよりも、

「帰ってくるの遅過ぎるよ、姉さん…」

「探して見つけるんでしょ?」

独り言のつもりで呟いたけど、オリバーの耳には届いていたらしい。

「…うん」

「全く…レノは自信なさすぎだ。ヌケガラビトじゃねぇだろうな?
つか、少しは俺様に頼れ!」

ジャイロには頼る気がないのだけど…

「ジャイロには誰も頼りたくないんじゃないの?
レノ!相談は24時間受け付けてるからね!」

「なんだと、マル!」

「ふふふ。二人ともありがと。さ、ニノ国に行こ!」

オリバーがゲートの魔法を使い、ニノ国へ。

「オリバーじゃないか!」

「え、キミはもしかして…ミラント?!」