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　プロローグ

「姉さん、また旅に出るの？」

目の前にいる姉に問う。
姉さんは深く帽子を被り、こちらに振り向く。

「うん。今回は早く帰ってこれるかもね。」

そう言いながら、姉さんは私の頭をなでる。
自分に似ていて、自分ではない。
なぜか不思議な気分になる。

「それじゃあ、行ってくる！お留守番、よろしくね♪」
「うん。任せといて。」

ドアを押して、外に出る。

「姉さん、今度旅するなら、私も連れてって！」
「わかった。行ってきまーす！」
「行ってらっしゃい！」


あれから４年、姉さんはまだ帰ってこない。
無事だろうか。

「早く…帰ってくるんじゃなかったの？」

言葉は返ってくるはずもなく、風の音と、外の賑やかな声だけ。
帰ってこれないなら、私が探しに行かなくちゃ。
だって、姉さんと私は、昔から二人で一つだったから。

　　　　プロローグ　END