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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】 Bad ∞ End ∞ Night ( No.10 )
- 日時: 2012/09/25 18:04
- 名前: 藍執事 (ID: ULeWPiDO)
3頁
「お客様」
「あっ、ハイッ」
「ふふ・・・緊張などなさらないで良いのですよ。ワインはいかがですか?」
すっ、とミクの横で執事がワインを注ぎ、差し出す。
『客人は、持て成さないとね』
その主人の歓迎するを意味する言葉一つでここの館ではパーティが開かれていた。
真ん中のシャンデリアの下では、奥方のメイコが
『焼酎よ、お酒よー—ッ!!』
と叫んで、素晴らしい飲みっぷりで、
その隣では主人の海斗が飲みすぎだよ、と呆れ笑いしている。
メイドのメグがお嬢様の琉架と騒いでいたりして、
パーティは賑やかだった。
ミクは最初はその中に居たのだが、少し疲れ、離れたところの椅子に座っていた。
執事の樂が注いでくれたワインのグラスを受け取ると、ミクは静かに尋ねた。
いや、尋ねようとした。が・・・
「あの・・・」
「おや、そろそろワインがなくなってきましたね・・・。では、失礼します」
樂は一礼すると、コツコツという靴の静かな音を立ててドアのほうへ歩いていった。
ミクはまぁ、いいか、と先のほうを見つめた。
そこからは楽しげな歌声が聞こえてくる。
♪君が主役のCrazy nighT ワイン片手に洒落込んで
ほどよく酔いが回ったら 楽しくなってきちゃった?
歌え踊れ騒ごうぜ 酸いも甘いも忘れてさ
気が狂っちゃうほどに 楽しんじゃえHappy☆nighT
「Happy nighT・・・」
ここの館の人たちはいい人たちだなぁとミクは思う。
夜起きる事をひとつも知らずに。
*
ビリッ
小さい音がして紅い背表紙の本のページが破られる。
「台本どうりに薦めてくれるでしょうか・・・?」
謎の影、は小さく楽しそうに呟いた。
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