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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】 Bad ∞ End ∞ Night(完結) ( No.31 )
- 日時: 2012/11/23 16:03
- 名前: 藍執事 (ID: ULeWPiDO)
第三夜
「まず」
後ろでぎゃーぎゃーと叫ぶレンを無視して、
ガクがカイトの左の目の下あたりに指を突き立てた。
胸元についたチェーンがジャラッと音をたてて擦れる。
「コードを」
「コード?」
「私とレンの左目の下にもある。これは・・・私達が主の所有物だという証」
ガクが自身の左目の下に指を当てた。
そして眼を少し伏せてから、言った。
「・・・彫るか?それとも書くか」
「ちょっ・・・どういう・・・!?
まずどういう仕事かも分からないし・・・僕でにできるかどうか——」
かしゃん。
カイトの額に銃口が当てられた。
「簡単に説明してやる。仕事内容は基本的に、御主があの時見たものだ。
また、御主に断る余地は無い・・・、大罪者よ」
その時。
「レンくん、がっくん、居るー?」
レンとは違う明るい声が響いた。
と同時に暗い室内のドアが開き、緑の髪の少女が入ってきた。
「仕事依頼だよー。・・・ってあれ、その人、Kaitoじゃん。仕事達成だね、おめでとうっ!」
「Gumiちゃんじゃん。この前から仕事多すぎだよー、減らしてよぉ」
レンがぷぅ、と頬を膨らませて言う。
Gumiと呼ばれた少女は笑って答えた。
「仕方ないじゃんー、Ruka様の依頼なんだしー。アタシは手紙の届け人だよ」
この場に合わない少年少女の二人の笑い声。
まだ銃を当てられているカイトは眉根を寄せる。
そして、はっと自分が居る場を思い出したかのように、ガクに話しかけた。
「あっあの・・・大罪者って、なんですか」
するとガクは少し驚いたような表情を見せ、何か小さく呟くと、銃を下ろした。
そしてグミと呼ばれた少女の元に向かっていく。
——よくわからないひとだなぁ・・・。
この場で、血がこびりついたシャツをながめて、カイトは何故か呑気なことを考えていた。
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