PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】 Bad ∞ End ∞ Night(完結) ( No.32 )
- 日時: 2012/11/23 16:44
- 名前: 藍執事 (ID: ULeWPiDO)
Ⅰ
「レイン・カガムーネ」
ここは、何処だろう。
オレは、一体———。
どんっ、と背中を押されて視界に入ったのは鉄格子のついた扉。
そして、ぼんやりとする視界で手に渡されたのは
医療に使うなメスのような小型ナイフ。合計6本。
「生きてこの部屋を出たいのなら、93日間生き延びろ」
そういって、鉄格子のついた扉の中に
身体が吸い込まれるようにオレの体は入っていった。
そして自然とオレの意識は朦朧としていった。
*
「——こいつが、新入りだな」
「細すぎっ。食べるところあるかな?」
「・・・バカイ」
「ガク酷いー」
ぼそぼそという声にオレはばっと起き上がった。
頭が痛い。
ズキズキという刺激的な痛みがする。視界もぼんやりしている。
「・・・目が覚めたようだな」
少し明るくなってきた視界で前を見やると、
紅い布を被った人間が——いや、一人は元天使(堕天使)か——が、
俺の近くに座っていた。
紫の長い髪の人間と、青の髪の堕天使だ。
青の髪の堕天使の背には、白い羽が少し混じる、黒い翼がついていた。
紫の髪の人間には、首やら腹やら腕やらいたるところに傷がある。
オレがじっと二人を眺めていると、紫の髪のほうがオレに話しかけた。
「レイン、と言ったか。目覚めの気分はどうだ?」
「・・・最低」
何より床が冷たい。
すると彼は鼻で笑った。
「・・・まぁ、そうだろうな。我(わたし)もそうだった。
まぁ、我は人間だがな・・・・、奴は天使で・・・・」
『奴』を指差しながら言いかけるのをオレはさえぎった。
「知ってる。オレは死神だから」
PR