二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ボカロ】 Bad ∞ End ∞ Night ( No.4 )
日時: 2013/01/14 08:39
名前: 藍執事 (ID: ULeWPiDO)
参照: 1/14文章を少し変えました

2頁

***

「こちらです」
蝋燭が暗い洋館の中を怪しく照らす。

ミクは
(さっききたときは明りがついたてのに・・・)
と少し疑問に思う。
だが疑問はすぐに頭から消えた。

「ヨウコソ・・・」
「うわっ」
突然執事の後ろに現れた、金髪の少女。
目が、全く瞬きしていない。
そして顔はとても美しく整っている。

「不思議ノ館ヘ・・・」
その隣に急にまた人が現れた。
金髪少女とそっくりな金髪の少年。
またこちらも人形のように顔が整っている。

——ソウダヨ?僕ラハ役者。ソノ役ノ人形ダカラ——。

少年は小さく呟き、薄く笑った。
ミクにはその呟きは聞こえていない。

「あら、樂・・・お客さん?」
「おや、琉架お嬢様。海斗様が仰せになられた、次の【役者】ですよ」
琉架お嬢様、と呼ばれた桃色の髪の女性がミクのほうへ寄ってくる。
こちらもまた——とても美しい。

「や、くしゃ・・・?」
ミクには何の話か分からない。

「気にしないで。初めまして。お客さんが来るのは久しぶりだわ」にこりと微笑むお嬢様。
「琉架お嬢様、お茶を淹れました——あらっ、お客さん♪お茶、淹れたので召し上がれ♪」
するとそこへ銀色のトレイにカップを載せた緑の髪のメイドが近づいてくる。

手渡された紅茶からいい香りがした。
どうしたらいいのかわからず、ぼーっとしていると、執事はメイドに呼びかけた。
「メグ。先に海斗様にお合わせして——」

「いいよ、樂。」
「海斗様・・・」
前の階段を下りてくるのは蒼い髪の男。
容姿、様付けで呼ばれることからしてこの館の主人らしい。
「こちらまでいらっしゃらなくても・・・談話室にお連れしましたのに」

「いいのさ・・・、今回はまた、違う【End】が観られそうだし」
「え・・・?」
男の呟きは、やはり意味の分からない言葉で。
ミクが戸惑うと、気にしないでおくれ、と返ってくる。

「私は海斗——、ここの館の主だよ。
ようこそ、屋敷へ・・・。使用人たちが分からないことを言ってしまって、すまなかったね。お名前は?」
「は、初めまして。私、ミクっていいます」
「ミクさんね。道にでも迷ったのかい?」
「あ、はい・・・恥ずかしながら」
ぼそっと呟いてミクはうつむく。

「君のようなお客さんは前にもいたさ。気にしないでいいんだよ」
海斗はそういって微笑むと、手を差し出した。
「こうして会うのも何かの縁さ——、歓迎しよう」

「ナラパーティ、パーティ!パーティーシヨウヨ!」
少年と少女が全く瞬きしない目を楽しそうに光らせて叫ぶ。

「歓迎しよう!」