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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】 Bad ∞ End ∞ Night(完結) ( No.51 )
- 日時: 2012/12/22 16:15
- 名前: 藍執事 (ID: ULeWPiDO)
弐
「こんにちはー・・・」
「はい」
暖簾を上げ、潜り抜けると出てきたのは長い髪のまだ歳若い娘。
「いらっしゃいませ。今日は少し冷えますね・・・お茶をお出しします」
「ありがとうございます」
少年が軽く頭を下げると、青年のほうがお礼を口にした。
「あの娘・・・」
少年が彼女の言ってしまったほうを見ながら呟く。
「どうしたんです?」と青年が言うと、
「おれ、すっごい好みなんだけどっ」
返答に困る青年。
眼を輝かせて言う少年になんと返事を返せばいいのか・・・
悩んでいると、先ほどの娘が盆に茶を載せてやってきた。
「どうぞ」
「ありがとうございます・・・、あ、お茶、とても入れ方が上手いのですね」
「褒めていただき光栄です」
そう言って娘が微笑むと、
「お、お名前ッ、教えてくださ、いぅ」
ガチガチと舌をかみながら喋りかける少年。
こら、初対面の人に急に名を聞いてはなりません、
と青年が注意するも彼女は気にしていない様子で、
いいのですよ、と言った。
「私の名前、巡家琉歌といいます」
「琉、琉歌さん・・・いい名前ですね。おれの名前は、漣。
探してる人が居るんだ・・・
でもっ、おれは君にっ——」
刹那。
ガコン、と下げられる少年——漣の頭。
「こら、漣。すみません・・・お嬢さん」
「いえいえ。お嬢さんだなんて・・・」
「神威さんひどい」
漣が下げられている中でぶつぶつと呟く。
「連れが迷惑をかけました。私、神威樂羅と申します」
そう言って、青年——樂羅が軽く頭を下げた。
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