二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ボカロ】 Bad ∞ End ∞ Night(完結) ( No.53 )
日時: 2012/12/22 17:17
名前: 藍執事 (ID: ULeWPiDO)



途端に背中に鋭い痛みを感じた。
突き飛ばされて、壁にぶつかったみたいだ。

助かった、と俺が思ったのもつかの間、小さく聞こえたのは呻き声。

「ガ、ガク・・・?」
「・・あ、ぐ・・・・・」
「おっ、おいっ」

左の肩口からとどめなく溢れる紅い液。
くそっ・・・こいつ、人間じゃないのかよっ・・・

「嗚呼・・・残念、りそこねたなぁ・・・・」
ふふ、と小さく微笑する奴の声が届いてくる。

「『それ』は所詮人間——。もうその殺人鬼は動けない・・・
君達には綺麗事など不要でしょう、さぁ、レイン、私は——
君を殺さなければなりません」

「ふざっけんな!」
俺が大声で怒鳴る。
「俺も貴様を殺してやらぁ!」

カイが布を手にこちらへやってくるのを確認してから、
俺はガクを壁にもたれさせ立ち上がると、鎌を呼び寄せる。

ぼう、と幻想的な音をして鎌の柄が俺の手に握られた。
それを確実に手に握ったのを確認して、俺は奴に向けて振り下ろした——

——はずだった。

「待ってっ、やめてっ!」
がしっと掴まれる俺の手首。
掴んだ奴を見やると、そこに居たのは——

「・・・・リン、カ」
俺の死神時代。愛した娘。