二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ボカロ】 Bad ∞ End ∞ Night(完結) ( No.57 )
日時: 2013/01/04 11:00
名前: 藍執事 (ID: ULeWPiDO)

第十一夜

「わー、あいつすげえじゃん」
レンが腕を組みながら眺めるのは、目の前の光景。
銃片手に槍を振り回すカイトの姿がそこにある。
その銃と槍で大量の人が次々倒れていく。

少し前の彼なら考えられないことである。

「・・・・やはり主様の見込みには違いがないのだな。
さて、あの場はあやつに任せておいて・・・・・おい」

ガクとレンが振り返ると後ろに居るのは手錠を掛けられている小太りの男。
いかにも金持ちと言った高級なコートを着込み、
目の前で殺されていく部下達の方を見、顔が信じられないぐらい青い。

「知ってるか、私達が何の目的でここに着たか」
ガクが低い声で問いかける。
横でレンが銃に珠をセットする音がした。

すると前の男は首を横に振りながら、お願いだ殺さないでくれと命乞いをする。
「無様なもんだね。だっせぇ」
レンがそう呟いて、男の額に銃を当てる。

「オレの姉貴たちをなんの躊躇いもなく殺したくせに——ふっざけんなバカ野郎ッッ!!」
「——この前の警察の女二人のことか!?何でお前が知って——」
「オレは彼女らの弟だ!」

男の目が大きく開かれる。
横でガクが呟いた。
「・・・多くのものを犠牲にしたその罪、洗い流されることはないだろうな」

「だが、お前達もしていることは同じ——」
「それもそうだ。関係のない者達を多く犠牲にした。
私も本来ならば断罪されるべきなのだろうが、
このような大きな罪を背負っているとそれすら叶わず、永遠に私は『主様のもの』になった」

「主様——?」
「ごめんね、この世に別れを告げて」
レンが冷たい眼で男を見た。

そして、

———パァンと言う乾いた音が響いた。