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Ⅶ

「はあ・・・もう、痛いじゃないですか」
「知りませんよ」
口元をゆがめて笑う堕天使。
その背には、真っ白の羽と真っ黒な羽が混ざり合って、歪な色を作り出している。

———嗚呼、コイツは。
堕天、仕切れなかったのか。あの銃からは、聖気が感じられた。
堕ちたものが使えば危ないだろう物を使えているって事は。

俺がはっとキルトの方を見ると、そこではカイとキルトが殺やり合っていた。
そして、俺の隣ではただ立ち止まって俺を見るリンカ。

「リンカ、逃げろ！」
「いや！レインは知らないからそういうことが言えるのよ——」
「はぁ！？」
「ここでは、死んじゃった人は『喰われる』んだよ！」

俺はその言葉に身体が固まる。
喰わ、れる・・・？

「ここにいる人たちは皆物を食べないと生きていけない。
人は３日何も食べなかったら死ぬの。それに、ここでは93日間生きなければならないし、人数は32人———」

という事は・・・
生き残るのは、一人・・・？

俺は急に壁のほうを見た。
なら、ガクは瀕死の状態・・・、放っておけば、死ぬ——。

なら？
その後は・・・・・

———彼が持たれかかっていた所には、一つの血痕を残して、ガクはいなかった。