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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】 Bad ∞ End ∞ Night(完結) ( No.70 )
- 日時: 2013/02/09 14:09
- 名前: 藍執事 (ID: ULeWPiDO)
- 参照: 父上は勿論あの方
5
*
「皇子殿下!全くどちらにいらっしゃったのですか!?」
「なんだよ、今日は何にもなかっただろ?」
「今日はつい先ほどまで開かれていたお茶会があったのですよ!?」
「・・・父上は、」
「陛下は大変お怒りになっております。ですから早くお戻りになってください」
こっそりと王宮に帰ったはずなのに待ち伏せていたかのように現れた召使・カイト。
***
——皇子にはカイトという青い髪の召使がいました。
「カイトってお父さんと名前そっくりだね!性格とか諸々!」
セレンが笑って叫ぶ。
この子の育て方は・・・どうやら間違えたようだ。
「はは・・・青髪で気弱ってところまで被ってるし」
「ホント!お父さんはヘタレだもんね!」
リンカが嬉しそうに笑う。
子供二人に弄られた父親は涙目になりつつ話を進めたのであった。
***
「さぁ、王宮に戻りましょう」
ガクの手を引くカイト。
だが、ガクはそこに踏みとどまり、
「遠慮しておく」
と一言言った。
「遠慮など良いのですよ。戻りましょう」
「嫌だ」
「嫌っていわれるほうが嫌です」
「嫌って言われるのが嫌なの!」
カイトを指差して叫ぶガク。
そこでカイトがふと思う——この叫びを利用すれば、王室まで声が届くかもしれない。
カイトはその手を使おうと、叫び返した。
「20歳が近いお方が『なの』なんて使わないでくださいよ!」
「嫌だ、絶対嫌だ。飛んで火に入る夏の虫ーっ!」
「使い方、何か変ですよ!?」
すると、その二人の間に突然何かが入り込んだ。
「はい、そこまで」
「陛下!」
「ち、父上・・・」
さぁーっとガクの顔から顔色が失せて行く。
「さぁ、王室に戻ろうか」
「は、はい・・・・」
自由奔紡なガクも、父上——陛下の前ではすっかり子供である。
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