二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第三話 ( No.10 )
- 日時: 2012/09/05 20:20
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
何だかんだで…すごい日になったな…誕生日なのに
海音は神童と共に保健室にいた 試合のあと運ばれてきたのだ
ダメージは海音の方が大きいはずだが、神童はまだ目覚めない
チャイムが鳴った 入学式が終わったのだ
ボクもそろそろ…クラスに行こうかな そう思って海音は起き上がった
——————
一年生の教室の前にはクラスが張り出されていて、今日入学した一年生達でにぎわっていた
海音は張り出された紙を見た
「天馬は三組か…あ、ボクは二組だ」
天馬とクラスが違う事をガッカリに思いながら、どんな人がいるのか見てみた
そこに意外な人物がいた
「剣城とクラス同じだ…」
海音は呟く
剣城 入学式出たのかな あの変な制服で まぁジャージよりはましかも知れないけど
クラスに入り、黒板に張り出された席を見る
今年は男子が多いので、男子同士くっついている席も多い
…え、マジか
海音はまさかの剣城の隣だった
さっき戦ったばっかだし…気まずいな…
そう感じながらも海音は自分の席に行った
剣城はもう座っていた いたのか…
「………」
海音が隣に座っても、剣城は無言だった
とりあえず海音は窓を見た 空がきれいだ…
「…おい、……海音」
すると剣城が話しかけた しかも何気に呼び捨て
「なに?」
「お前…何でドリブル勝負の時 手加減した?」
やっぱり聞かれた
まぁ 黒の騎士団戦のボクを見ればわかるか
「…何でかな 早く終わらせてもつまんないし」
「サッカー部入るのかよ」
「うん」
「俺が来たのにか?」
「 別に気にしないよ」
この言葉に剣城は驚いているようだ
「…お人好しが」
「そうかなー?」
海音も気になる事を聞いてみた
「剣城って…何でサッカー部を壊そうとするの?」
「それが仕事なんだ」
「そんなバイトあるんだー!」
「バイトなんかじゃない……お前な!」
すると突然剣城は立ち上がる
「わかってんのか?俺はお前を潰そうとしたんだぞ?!なのに…何で普通に話せるんだよ!!」
「だって…剣城優しいじゃん」
「…は?」
剣城は思わず声を上げる
優しい?俺が?
「なに言って…」
「だってさ、剣城 サッカー部の二軍の人達を一撃で倒せるようなキック力じゃん なのにボクはそこまで怪我してない …つまり手加減したんでしょ? 君 化身使えるし、よりによってはボクを再起不能にだってできるでしょ」
「……」
無言で剣城は座った
初めてだった
優しいと言われたのは
「…あのさ、ボクFWなんだけど、今度ボクに教えてくれない?シュート」
「は?」
「ボク 相手が居なくて一人だったし シュート苦手なんだよね」
「シュート技あるだろ」
「そうだけど…もっと磨きたいし」
「………」
やっぱりダメかな
「…今度な」
「ホント?やった!!」
やっぱり剣城 優しいね
——————
簡単な学級での自己紹介と説明が終わると、生徒達は昼食を食べ始めた
弁当を持ってきて以内生徒は売店で好きなものを買っていた 海音もその一人に入る
「色んなパンがあるね」
「ホントだ〜」
聞き覚えのある声がして海音が見ると、天馬が小さな少年と売店を見ていた
「あれ 天馬?」
「あ…海音も来てたんだ!」
海音に気がついた天馬は言った
「あ!君 さっきグラウンドで戦ってたよね!」
小さな少年は言った
「うん ボクは雪雨海音 君は?」
「僕は西園信助!君達すごかったよ!」
信助は言った
「信助もサッカー部?」
「うん!明日入部テスト受けるよ」
入部テスト…か、懐かしいな
海音も二人と売店のパンを見てみた 様々な種類のパンがたくさんある
「なんか今日は人生で一番の誕生日かも」
「え…海音今日 誕生日?」
天馬は訪ねる
「そうだよ」
「そうなんだ!おめでと海音!」
誕生日におめでとうと言われるのは久々だった
「ありがとう天馬」
海音は言った
考えた末、海音は焼きそばパンにした
できたばかりなのか、温かい
「どこで食べる?」
「屋上がいいな」
「じゃあそうしよう」
この学校は屋上あるんだ
海音は思いながら二人についていった
「そういえば海音、キャプテンどうだった?」
天馬は訪ねる
「まだ…目覚めて無かったよ」
海音は答える
屋上にやって来ると、風が吹いていて気持ちよかった
「高いね〜」
柵から外を見ながら海音は言った
ここで三人は買って来たパンを食べた 美味しかった
「…ねぇ天馬」
すると海音は口を開く
「ボク…入部出来ると思う?」
「え?なんで?」
天馬は言った
「大丈夫だよ海音なら!だって試合の時あんなに活躍したんだし」
「………」
入れないと思う理由はこれだけじゃないけどね…海音は思ったが言わなかった
こうして色々あった十三歳の誕生日は あっと言う間に過ぎてしまった