二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第七十三話 ( No.103 )
- 日時: 2012/12/14 19:22
- 名前: 時橋 翔也 (ID: TaF97fNV)
「遂に準決勝だな」
第二グラウンドで霧野は言った
「…信助 良いプレーだった 正式にGKになってみないか?」
すると三国は言った
「……やっぱり僕にはフィールドプレイヤーの方が合ってると思います すいません」
そう言って信助は走り去ってしまった
「信助…」
「おい!お前ら雷門サッカー部だな!」
するとグラウンドの向こうから声が飛んでくる
他の学校の生徒のようだ
「俺達の学校を潰しやがって!」
「え?」
海音は声をあげた
学校を…潰す?
「お前らの真似してフィフスセクターに逆らったせいで俺達の学校は潰された! 何が革命だ!俺達はもうサッカーできない!やっぱり…逆らうんじゃなかった!」
「おい よせ!」
すると隣の生徒は言った
「すまないな 俺達の分まで革命頑張ってくれよ」
そう言い、二人は去っていった
「監督!今のって…」
「…本当だ 革命派にまわった学校のうち三校が廃校になったと連絡があった」
鬼道は海音に言った
「まさか見せしめのために…」
「ふざけやがって フィフスセクターに抗議しようぜ!」
「俺達が言った所で聞いてくれるはずないだろ」
三国は倉間に言った
「ボクが…革命を起こしたから…」
「お前たちのせいじゃない これまでも廃校になった学校はたくさんあった これ以上こんなことのないように革命を成し遂げるんだ」
「………」
豪炎寺…どうしてなんだ
鬼道は思った
——————
「革命派にまわった学校を潰すなんて…」
フィフスセクターのエントラスにある玉座の前で一人の青年は言った
「今回も指示したのは[あの人]ですね…ひどいことを」
「…このホーリーロードで起こったことは全て責任を取る」
玉座に座るイシドは言った
「私はフィフスセクターの聖帝なのだから」
するとイシドは立ち上がる
「…少し出てくる」
そう言って歩いていった
「イシド様…」
青年…虎丸は呟いた
——————
「…ボクのせいだ…」
サッカー棟のミーティング室で海音は言った
「ボクが革命を起こしたから…」
「そんな…海音は間違ってないよ!」
天馬は言った
「そ…そうですよ!俺達の他にも本当のサッカーをしたかった人達はたくさんいるんだし」
速水も言った
「…でも!」
海音は立ち上がる
「ボクにはわかるんです!サッカーが出来ない人の気持ちが!」
「おい海音!」
神童の制止も聞かず、海音はミーティング室を飛び出した
「俺…連れ戻して来ます!」
そう言って天馬も走っていった
——————
本当にこれで良かったのかな
海音はうなだれる
「海音!」
そこに天馬がやって来た
「天馬…」
「海音…悩むのはわかるけど…戻ろう?」
「天馬…ボクは…」
「君達…ちょっといい?」
すると校門の前の少女は二人に言った
二人よりも歳上で高校生のようだ
「あなたは?」
「君達に会って欲しい人がいるの …河川敷の駅前に来てくれる?」
会って欲しい人?
…でも 今戻っても気まずい
「…わかりました 天馬行こうよ」
「そうだね海音」
天馬は頷いた
——————
三人は河川敷の駅前にやって来た
「ここで待ってて」
少女はそう言い 向こうに消えていった
「…天馬…」
「海音?」
「ボクさ…話したっけ?女子という理由でサッカーチームに入れなかった事があるって」
「うん 言ってた」
「だからかな… サッカーが出来なくなる人をつくるのが嫌なんだ」
『何が革命だ!俺達はもうサッカーできない!やっぱり…逆らうんじゃなかった!』
「海音… でも 円堂監督が言ってた事を思い出して」
『自分の心に聞いてみろ …これがお前達のやりたいサッカーなのか? お前達のサッカー…本当のサッカーって何なのか!』
「円堂監督は…俺達に本当のサッカーを教えてくれた …きっと本当のサッカーを取り戻す事は悪いことじゃない… きっと」「でも…」
「活躍しているな… 松風天馬くん それに雪雨海音くん」
声がした
横を見ると、さっきの少女と共に聖帝 イシドシュウジが立っていた
「あなたは…!」
「イシドシュウジ…」
二人は驚く
「…初めまして、と言うべきかな」
「あなたですよね…サッカーをこんなにしたのは…何でですか!」
天馬は言った
「サッカーはもっと楽しくやれるはずです!勝敗を管理しなくても」
「君達は心からそう思えるのか?」
イシドは言った
「……!」
二人は反論出来なかった
革命のせいでいろんな人からサッカーを奪ってしまった
「君達も疑問を持ち始めている やはりサッカーは管理されるべきだったのではないか そうすればみんながサッカーを楽しめたのではないかとね」
「でも… 今のサッカーは誰も楽しめません!」
海音は言った
その時だった
「きゃあああ!!」
向こうから悲鳴が聞こえた
見ると女性がひったくりにあっていた
「あ…」
「貸せっ!!」
イシドは天馬の持っていたサッカーボールを奪い、逃げていくひったくりにシュートを浴びせた
まるで炎のようなシュートはひったくりを直撃した
「…!!」
天馬は目を見開く
戻ってくるボールをイシドは拾うと天馬に返した
「すまなかった」
「……どうして」
天馬はボールを受けとると言った
「天馬…?」
「俺…ずっとあなたに憧れて来たんです! …なんで…サッカーにこんなことするんですか!」
海音の声も聞かず天馬は言った
「…昔サッカーボールで俺を助けてくれたのは あなただった」
「……」
「?…」
天馬…なにかあったのかな…
「あなたは誰よりもサッカーが好きなはずなのに…! 今のボールだってサッカーが好きな人じゃないと打てないはずだ!何で…」
「答えを知りないなら、ホーリーロードを勝ち進むんだ」
イシドは言った
そして少女と共に去っていった
「天馬…あの人を知ってるの?」
「……あの人は、俺の命の恩人なんだ」
昔 天馬は沖縄に住んでいた
木材に挟まれていた仔犬のサスケを助けたと同時に木材が天馬に倒れてきた
そこに先ほどと同じボールが飛んできて、木材を砕いて天馬を助けてくれた
それなのに…
「俺は信じない…きっとなにか理由があるんだ」
「天馬…」
——————
「わかりましたよ 貴方の本当の目的が」
歩いていたイシドに立っていた剣城は言った
「そうか…だからどうした?」
イシドは剣城を見た
「どうして松風と海音に本当の事を話さないんですか?」
「…まだ時が来ていない 話せば今までやって来た事が壊れてしまう」
「…確かにこのままの方がいいかもしれません…ところであなたにお願いがあります」
剣城はイシドに近づいた