二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第七十四話 ( No.104 )
日時: 2012/12/15 09:51
名前: 時橋 翔也 (ID: oMcZVhE7)


「骨がかなりダメージを受けていますね…」
病院で足の診察を受けた海音はそう診断された
「先生…サッカー出来ますか?」
「安静にした方が良いです」
「…そうですか…」

暗い気分の中海音は診察室を出た
そういえば天馬大丈夫かな
恩人がサッカーをこんなにしたって… ショックだよね

海音は直矢の病室の前に来る
まだ目覚めてないかな…
そう思いながらも病室のドアをあける

「…海音?」
「あ…」
見ると、直矢はベッドの上で雑誌を見ていた

「直矢!」
海音は直矢に近づいた
「大丈夫なの?」
「ああ… すまない心配かけて」
直矢は言った

「試合どうだった?」
「あ…勝てたよ 幻影学園に でも…」
「?」
海音は昨日の事を話した

すると直矢は表情を変える
「天馬くん…ショックだろうね 」
「大丈夫かな天馬…」
海音も言った

——————

海音が病院を出た時だった
「太陽しっかり!」
救急車から太陽が運ばれて来るのが見えた

そこには天馬もいる
「天馬!?」
「海音…太陽が!」
天馬は言った

太陽はすぐに病院に運ばれていった
「また発作を起こしたんだ…」

「すまないね、雨宮くんを見つけてくれて」
すると医師の一人が二人に近づいた
「しかし…病室を抜け出してあんな遠くまで行くなんて…どうしたのか」

「先生」
すると太陽の担当の看護師が三人に近づく
「雨宮くんは落ち着きました… それで、そこの二人と話がしたいそうです」
「え…ボクらと?」
海音は言った

太陽…どうしたんだろ

——————

病室に行くと、太陽がベッドに座っていた
「太陽大丈夫?」
海音は言った

「天馬、海音…ごめんね心配かけて」
太陽は言った
「いいよ…でもどうしたの?病室を抜け出して」
「そうでもしないと、病院から出られないから」

太陽…
「それよりさ二人とも試合見たよ すごいよね雷門!」
「見てくれたんだ!」
「最近のホーリーロードってつまらなかったけど…雷門はちがうんだ 本気っていうのかな…なんか見ると元気になる」

「…でも、ボクらのせいで廃校になった学校があるんだ」
海音は言った
「俺達…どうしたら…」

「そういうときは…自分の心に従ったら?」
太陽は言った

自分の心…

「天馬、そろそろ行こうよ」
「そうだね…またね太陽!」
二人は病室から出ていった

「…海音、太陽の病気ってそんなにひどいの?」
すると天馬は訪ねる
「……太陽とボクは同じ施設で育ったんだけど…昔から入退院を繰り返していたんだ」
海音は言った

「昔 夜桜から聞いたけど…太陽このままだと命が危ないって」
「え!…」
「もちろん手術を受けて治療すれば治るんだって…でも太陽はその気がないみたいなんだ」
「そんな…」
天馬はうつむいた

——————

次の日の放課後
第二グラウンドに雷門イレブンは集まっていた
「次の相手が決まった」
神童は言った
「次の相手は…新雲学園だ」

「…新雲学園…」
「海音どうした?」
「いや なんでもない」
新雲学園…太陽の学校だ

「…今までの試合結果を見るに、新雲学園はかなりの強豪だ」
「しかも新雲学園には、十年に一人の天才と呼ばれるストライカーがいるらしいです まだ試合には一度も出ていませんが」
剣城は言った

「十年に一人の天才…」
太陽の事だ…海音は思った
「俺達を潰す為に出てくる可能性は十分あるな」
「もうおしまいだ〜!」
速水は嘆く

「……」
海音は天馬を見た
太陽が敵になるなんて知ったら…どう思うかな

——————

海音は練習が終わり、鉄塔にやって来る
バダップ達はサッカーの練習をしていた

「…珍しいね、サッカーの練習なんて」
「そうか?」
ミストレはリフティングしながら言った

「これから…少しヤバイ事するからな」
「ヤバイ事?」
海音が言うと、エスカバは海音を見た

「…実は、近くに組織の基地があることを突き止めたんだ」
「本当に!?」
「だが本拠地じゃない …小さなアジトってとこだ」

「僕らは明日 そのアジトに乗り込む」
「乗り込むって… 偵察?」
「まぁそんなとこかな」
ミストレは言った

「だから…俺達はしばらく戻れない …もし10日たっても帰らなかったら、死んだと思っていい」
「バダップ…あ そうだ」海音はバッグから何かを取り出す

それはミュウからもらった薬とペンダントだった
「これ持っていって 変身出来る薬と姿を消せるペンダント」
「すまない…」
バダップは受け取った

「…じゃあ俺達は帰る 準備があるからな」
「三人とも…絶対帰ってきてよ?」
「もちろんだ」

三人は化身のオーラを出す
そして高く飛び上がり、消えていった