二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第七十六話 ( No.106 )
日時: 2012/12/18 19:57
名前: 時橋 翔也 (ID: LCLSAOTe)


河川敷での練習が終わり、天馬と信助はベンチに座っていた
「はぁ…」
「信助 何か悩んでるの?」
天馬は信助に言った

「…実はね 三国先輩にGKをやらないかって言われたんだ」
「三国先輩に?」
「うん 僕ならGKになれるって」

すると信助は上を見た
「不思議なんだ… GKが嫌じゃない でもずっとDFをやって来たのに」
「円堂監督もGKだったんだよね」
天馬は言った

「うん イナズマジャパンでGKやってたのかっこよかった」
「じゃあ円堂監督を目指すのは?」
「遠いよ…監督なんて…」

「そうだね 確かに円堂さんは遠い」
するといつの間にか立っていた青年は言った
「え?」
「あの…何ですか?」

「俺もサッカーやってるんだ GK」
「GKを?」
天馬は言った

「君達と同じくらいの時、MFからGKになった それでGKの面白さを知ったんだ」
「そうなんですか…」
「あ…あの!」
信助は立ち上がる

「GKって大変ですか?フィールドの皆に気を配ったりしないといけなくて」
「ああ GKはグラウンドの全部を取り込まないといけない」
青年は言った
「そしたら見えてくる ゴールへの行き先がね」
「自分の中に…」
「最後はみんなの思いがこもったボールを掴む それがGKなんだ」

「GKってすごいんですね!」
「そうかい?じゃあ練習頑張ってね」
そう言って青年は去っていった

「…あの人どこかで…」
天馬は呟く

——————

「こんにちは!」
次の日、元気よく信助はサッカー棟に入ってきた

信助元気になったな… 海音は思った
「みんな 今日は帝国学園で練習するぞ」
すると神童は言った

練習試合?

——————

訳も分からず、帝国のグラウンドにやって来る
そこにいたのは驚きの人物達だった
「遅いぜお前ら」

「南沢さん!それに貴志部!」
「兵頭さんや豹牙も…」
神童と海音は言った

「これからは俺達もレジスタンスとしてフィフスセクターと戦う事にした」
南沢は言った
「本当のサッカーを取り戻そうと決めたんだ」
「貴志部…」
霧野は言った

「よし、じゃあそれぞれ個人練習しようぜ、海音 お前は俺とシュート練習だ」
豹牙は言った
「あ…うん」

「神童と霧野は俺と練習しよう… またあの頃のようなサッカーしたいしな」
「貴志部…わかった」
神童は頷く

それぞれ色んな選手と交流して練習することにした
「…三国先輩、兵頭さん」
すると信助は二人に近づいた
「僕に…GKの特訓をつけてください!」
「なに?」
兵頭は声をあげる

「…その言葉をまっていたぞ」
三国は言った

——————

それから数日 南沢たちと練習する日々が続いた
海音は豹牙とサッカーバトルをしている

「エターナルブリザード!!」
二つのエターナルブリザードがぶつかり、辺りには強い吹雪が吹き荒れる

「はぁ…はぁ…」
「…そういえば 雷門の次の相手って新雲学園なんだろ?」
豹牙は言った
「太陽…出るのか?」
「わからない…でも出る可能性は十分にあるよ」

「…ねぇ豹牙覚えてる?四人での約束」
「約束…」

『ねぇ、ボクたち中学生になったらそれぞれ違う中学に行こうよ』
『え、なんで海音』
『バラバラの中学に行って、競うんだよ 大会で一番を取るのは誰なのか』
『いいねそれ面白そう!』
『その前に太陽は病気治せよ』
『じゃあ決まりだね!約束だよ?』

「…ああ 忘れるものか 俺と太陽と夜桜と海音の四人の約束を」
「太陽…きっと戦うよ 約束を果たすために」
海音は言った

「………」
「剣城」
すると霧野は剣城に近づいた
「霧野先輩…」
「最近調子どうだ?」
「…あまり夢を見なくなりました」
剣城は言った

「でも…いつまでもつのか…」
「………」

——————

準決勝の当日
海音は病院に来ていた

「直矢に準決勝見てもらえるように言っとこ」
そう思いながら海音は病室をノックした
「直矢来たよ…」

「はぁ…はぁ…」

思わず目を疑った
直矢が医師と看護師に付き添われていた

「直矢!?」
海音は急いで直矢に駆け寄る
「一体何で…」
「一時間前に体調が急変したんだ」
医師は言った
「熱と汗がひどい… 原因はいまだにわかっていない」

「直矢…」
酸素マスクを着け、荒く息をしている直矢の手を強く握る 熱い…
「か…いん…」
すると直矢は海音を見て言った

「直矢聞こえる?」
「ああ…もちろんさ…」
かろうじて話せるようだった
「先生…直矢は…助かりますか?」
「まだ…わからない」

「俺は…死なないさ」
すると直矢は言った
「まだ…バスケしたいんだ…」
「直矢…」
すると海音の携帯が鳴った

見ると相手は天馬だった
『海音!早くしないとキャラバン出発するよ!』

「そうだ試合…でも直矢が…」
「行ってこい…海音…」
直矢は言った
「大丈夫… 俺は死なない」

「直矢…!」
海音は両手で直矢の手を握った
「ボク…まだ直矢にバスケで勝ててないんだ!だから… 死なないでね?」「ああ… 約束だ」
直矢は微笑む

そして海音は病室をあとにした