二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第七十九話 ( No.109 )
- 日時: 2013/01/04 14:49
- 名前: 時橋 翔也 (ID: j.vAWp8a)
雷門イレブンは病院の手術室の前にいた
神童がいま手術している
「キャプテン…」
「神サマ…」
すると手術中のライトが消えた
そして手術室から医師が出てくる
「先生!」
音無は言った
「神童くんは…」
「…ひどい怪我です 足が完治するには 一ヶ月近くかかります」
すると神童が看護師たちによって運ばれてきた
神童は眠っているようだ
「キャプテン…」
天馬は言った
「どうしてもダメですか?」
「…そうですか」
鬼道は医師に言った
「キャプテンは…この日の為にずっと頑張って来たんです…なんとかできませんか?」
「…残念ですが 無理です」
医師は天馬にそう言うと、神童を連れて去っていった
「キャプテン…」
「…そういえば海音は?」
信助は辺りを見て言った
「言われてみたら…」
「あいつ…神童がこんな時にどこ行きやがったんだ」
倉間はいらだたしげに言った
——————
海音は病院の廊下を走っていた
キャプテンごめんなさい… でも直矢が心配なんです
そして直矢の病室の前で立ち止まり、扉を開ける
「直矢!」
病室には医師と看護師とそれから優一もいた
「ううっ… 海音くん?」海音を見ると優一は言った
優一は泣いていた
「遅かったね」
医師は残念そうに言った
海音は直矢に近づく
直矢は目を閉じていた
「つい先ほど…………亡くなったよ」
なにも考えられなかった
直矢が死んだ?
ありえないよ だって…約束したんだ
死なないって…約束したよ?
そんなわけない
寝ているだけだよ
嘘だ 嘘だ嘘だ嘘だ…!!
「海音くん… 」
優一は涙を脱ぐって言った
「直矢くん… 約束守れなくてごめん…そう言っていたよ」
「………」
約束守れなくてごめん?
なに言ってるの?
だってまだ死んでいない
寝ているだけだよね…?
「直矢…」
医師と看護師は直矢をどこかに連れて行く おそらく霊安室に
……………死んだ、直矢が…
海音は床に座り込んだ
「海音くんしっかり!」
優一は海音に近づいた
「大丈夫か?」
「…はい…」
ゆっくりと海音は立ち上がる
「…泣いてもいいんだよ?」
「……ボクは 泣かないと決めているんです」
海音はそう言って病室から出ていった
直矢が死んだ…
受け入れたくない現実を目の当たりにしているようだ
いつも自分を応援してくれた… 頼れる存在だった
なのに…
「海音!」
すると向こうに雷門イレブンがいた
「皆…」
「お前…どこ行ってたんだよ」
倉間は言った
「…キャプテンは?」
海音は訪ねる
何人かが泣いていた
「試合に出れないって…」
「え…?」
「あんなに頑張っていたのに…」
天馬も泣いていた
「……残念だな…」
海音はそうしか言えなかった
直矢を失ったせいか、どんなことを言われても悲しくない
だってキャプテンは生きている…
直矢は死んだ もう会えないんだ
「おい… 海音 仲間が試合に出れないんだぞ!その態度なんなんだよ!」
「や…やめてください倉間くん!」
速水は倉間に言った
「…なにかあったのか?」
「……ううん なんでもないよ」
作り笑いをして剣城に言った
「ボクはもう帰ります…」
そう言って海音は歩いていった
——————
今日は海音しか鉄塔にいなかった
バダップたちは基地に乗り込んだんだよね…無事だといいけど
「…雪の女王シヴァ」
海音は化身をつくろうとした
だが化身が出現しなかった
「え…」
なんで…
その時
「久しぶりだな 海音」
聞きなれた声がした
夜桜が立っていた
「夜桜!」
「練習終わってひまだから見に来たんだ」
夜桜は言った
「…そっか」
「? どうした? なんかあったのか?」
「………」
夜桜には…話すべきかな
「…直矢が…死んだんだ」
「え…」
ありえない…夜桜はそんな顔をした
「冗談もほどほどにしろよ だって直矢はもうすぐ退院だって…」
「体調が急変したんだよ」
海音は言った
「…嘘だろ…」
「………」
夜桜も海音と同じような顔をしていた
「…多分葬式は北海道のお父さんがすると思う」
「じゃあ俺 行ってくる…お前は行くのか?」
「決勝戦が終わったあとならいくよ」
海音は言った
「雷門…ついに決勝戦まで来たんだな」
「うん …でも代償は大きかった」
神童の事を思い出しながら海音は言った
「…そろそろバスが来る時間か」
腕時計を見て夜桜は言った
「じゃあ俺は行くよ 決勝戦頑張れよ」
「うん バイバイ」
海音に見送られながら夜桜はバスに急いでいった