二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第八十話 ( No.110 )
- 日時: 2013/01/06 12:11
- 名前: 時橋 翔也 (ID: EggErFJR)
これで何本目かな
以前直矢とバスケをした公園で海音はひたすらバスケのゴールにシュートしていた
「………」
直矢…
「あ 海音」
すると向こうから天馬が歩いてきた
「バスケしてたの?」
「うん…天馬はキャプテンの見舞い?」
「そうだよ」
天馬は頷いた
「バスケ…そういえば直矢さん元気?」
「え…」
海音は声をあげる
少し考え、海音は言った
「うん もう退院して北海道に帰ったんだ」
「本当?よかった…」
言えない…
直矢が死んだなんて…
——————
第二グラウンドに行くと、雷門イレブンは揃っているが、皆重い空気だった
「…天馬 見舞いどうだった?」
「まだ…目覚めていません」
天馬は言った
「神童…」
「神童のケガはショックだと思う …でも決勝戦はすぐだ アイツの分まで頑張ろう」
三国は言った
「でも…キャプテン…」
「天馬…」
皆うつむいていた
海音と剣城以外
「………」
確かに神童がケガしたことは悲しい
だがそれ以上に 直矢が死んだ事がショックだった
「顔を上げろ お前たち」
すると声がした
振り返ると、円堂がいた
「監督!」
みんなは円堂に近づいた
「いつ帰ってきたんですか?」
「すまなかったなみんな」
「戻ってきたか円堂」
鬼道は言った
「ゴッドエデンでなにかわかった事があるのか?」
「ああ いずれフィフスセクターのやっていることが明らかになる」
円堂は言った
「…早速だが、皆に提案があるんだ」
「提案?」
海音は言った
「神童の事は聞いたよ 残念だが 立ち止まるわけにはいかない そこで神童のかわりに新キャプテンを任命する」
円堂は言った
新キャプテン…
「いいですね円堂監督」
「だろ… それでは発表する」
円堂は一人を指差した
「松風天馬 お前がキャプテンだ」
「……ええええ!!?」
皆は驚く
「お…俺が?」
天馬は言った
「…実は迷ったんだ 海音か天馬か」
円堂は言った
「天馬は人を支えて力を高められる 海音は仲間を勇気付けられる… 初めは海音にしようかと思ったが、海音が嫌がると思ってな」
「はい…」
図星だ
「天馬なら 神童とは違う方法でチームを引っ張れる」
「俺も同感です」
三国は言った
「俺達がサッカーを見失わずにすんだのは 二人のお陰だ」
「でも… 」
天馬は海音を見た
「頑張ろう キャプテン」「海音…」
「反対する人はいないしね」
「…わかりました キャプテンやります!」
「その意気だ天馬」
円堂は言った
「よし 第二グラウンドで練習だ」
「はい!」
——————
くよくよ直矢の事を悩んでも仕方ない
今はとにかく、決勝戦に向けての特訓に専念しないと
「聖堂山は強力なチームだ、弱点は全くない」
「弱点がない…」
「しかも全員がエースストライカーと言えるほどの実力だ」
確かに見たら強いチームだった…
となると、必殺技を磨いた方がいいな
紅白戦が行われ、海音は自分にそう言い聞かせながら取り組んだ
「海音行ったぞ!」
剣城の声が飛んできた
見ると輝がボールを持ってこちらに向かっていた
「…スノーウインド!」
海音は吹雪を吹かせた つもりだった
吹雪は起こらず、輝は海音の横を通っていった
「え…?」
なんで…出ないの?
「海音どうしたんだよ」
車田は言った
「あ…すいません」
「天馬!」
天馬はパスを受け、ゴールに上がる
だがいつもより動きが鈍かった
天馬…キャプテンのプレッシャーのせいかな
「海音!」
ゴール前でパスをもらい、海音はシュート体勢になった
「いくよ信助!コールドストーム!」
海音はシュートする
だがそのシュートはただのシュートだった
「なんで…」
海音は呟く
化身どころか、必殺技まで出なくなってる
これじゃ… 決勝戦なんて無理だ
——————
「剣城 一緒に帰ろうぜ」「…はい」
特に断る理由もなく、剣城は霧野に頷いた
最近知ったが、剣城と霧野は家が近い
そのためたまに霧野と帰ることがあった
「… 先輩」
「どうした?」
「海音… なんか元気無かったと思いませんか?」
剣城は言った
「確かにな…」
霧野も頷く
「…あのさ剣城 俺 思った事があるんだ」
「思った事?」
「天馬は俺達を変えてくれた… でもそれ以上に、海音の存在が大きいんだ」
「…どういう事ですか?」
剣城は訪ねる
「…この雷門を変えたのは…天馬には悪いけど海音何じゃないのかと 思うんだ 海音が黒の騎士団戦の時頑張らなかったら、きっと俺は部活辞めていた」
「………」
よく考えたら、いまや雷門に海音は必要不可欠となっていた
皆を改心させ、フィフスセクターと戦う勇気をくれたのは海音なのだ
「…実は俺、今度松風とシュート技の特訓をします」
「シュート技?」
霧野は言った
「…海音とやる気はないのか?」
「この技は火属性なんです …海音に負担をかけたくないんです」
剣城は言った
「お前らしいな」
霧野は言った
そして商店街を抜けたあたりに来たときだった
「じゃあ俺の家こっちだから」
「…さよなら」
剣城は歩いていった