二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 八十一話 ( No.111 )
- 日時: 2013/01/14 08:28
- 名前: 時橋 翔也 (ID: j.vAWp8a)
次の日の放課後
海音達は帝国にあるレジスタンス本部にやって来る
「久しぶりだね円堂君 鬼道君」
そこにいたのは、イナズマジャパンの基山ヒロトと緑川リュウジだった
「二人とも久しぶりだな!」
円堂は言った
確かヒロトは親の会社をついで吉良ヒロトとなっていた
敏腕と評判らしい
「今日呼び出したのは、これを渡すため」
緑川は分厚いファイルを円堂に手渡す
中には今までフィフスセクターがしてきた不正がびっしりと書いてあった
「フィフスセクターの不正の証拠?」
「え?」
海音は声をあげた
「財政や経理等でいろんな不正を働いている バレないよううまくやってるよ」
ヒロトは言った
「それはつまり…フィフスセクターが犯罪をおかしているって事ですか?」
三国は言った
「そんなバカな!アイツがそんなことするはずない!」
円堂は言った
「ああ 俺もそう思って更に調べた それでわかったが、フィフスセクターの最高権力者はイシドではないかもしれない」
「え?」
天馬は声をあげた
「まだはっきりとは言えないけどね もう少し調べてみるよ」
緑川は言った
「ドラゴンリンクもね」
「ドラゴンリンク?」
海音は言った
「フィフスセクターを調べている際、出てきたんだ… もしかしたら恐ろしいものかもしれない」
「ありがとう二人とも、よし 練習に戻ろう」
円堂が言うと、次々と本部からみんな出ていった
「…松風、河川敷で少し話がある」
「え?… わかった」
——————
河川敷
二人は話をした
「松風…お前にはある技の特訓をしてもらう」
「技の特訓?」
「ファイアトルネードDD ファイアトルネードの合体技だ」
「ファイアトルネード…」
イシドの正体 豪炎寺が使っていた技だ
「練習が終わったら特訓する 皆には秘密だ」
「うん …珍しいね 剣城から言うなんて」
天馬は言った
「…この技は火属性だからな 海音には大きな負荷がかかる」
剣城は言った
「それに… 最近あいつ元気無いからな」
——————
「ダイヤモンドショット!」
第二グラウンドで海音はそう言って思いきりシュートする
だが それはただのシュートになってしまった
「なんでだ…」
直矢が死んだショックのせい?
神童先輩も入院していて化身使いが減ったのに…ボクまで出来なかったら…
「…!!」
負ける… 革命が失敗するそしたらサッカーが…
「なぁ… 最近海音の様子変じゃないか?」
海音から少し離れた所で三国は言った
「確かに… このところ必殺技を見ないし…」
速水も頷く
すると剣城の携帯がなった
「…もしもし」
剣城は携帯に言った
「…え…兄さんが?」
「優一さんがどうしたの?」
天馬は言った
すると剣城は走り出す
「待ってよ剣城!」
天馬も追いかけた
やって来たのは病院だった
剣城はすごい速さで優一の病室に向かっていく
「兄さん!」
剣城と天馬は優一の病室に入る
そこには優一と医師がいた
「兄さん…よかった 俺はてっきり…」
「京介、俺 手術を受けられることになったんだ」
優一は言った
「え?」
「誰かはわからないが、支援金をあつめてくれたんだ」
医師は言った
「…じゃあ…兄さんの足は治るんですね?」
「ああ リハビリを続ければ歩けるようになる」
「兄さん…本当に良かった」
剣城は優一にすがり付く
「京介…今まで辛い思いさせてすまなかったな」
「そんなこと…ないさ」
「俺は時間が掛かっても、もう一度フィールドに立つ… またサッカーしよう」
「剣城…良かったな」
天馬は言った
「直矢さんが知ったらきっと喜びますよ!」
「え…」
優一は声をあげた
「そうか…直矢さん 退院して北海道に戻ったと海音 言っていたな」
剣城は言った
「また直矢さんとバスケしたいなー サッカーも」
天馬は無邪気に言った
「…………」
優一は信じられないという顔で二人を見た
「君達…何も知らないのか?」
「え…?」
「兄さんどういう事だ?」
剣城は訪ねる
「……直矢くんは… 準決勝の日に亡くなったんだ」
優一は言った
「え…」
天馬はそれしか言えなかった
医師が悲しそうな顔をしたのを見ると、事実らしい
「うそ…ですよね?」
天馬は言った
優一は首を横にふる
「本当なんだ」
「あ…」
剣城はあることに気がつく
海音が準決勝の日、キャプテンの所ではなく別のところにいたのも、最近元気が無いのもそれなら説明がつく
「でも…海音は直矢さん退院したって…」
「きっと…言えなかったんだ」
剣城は言った
「お前を…悲しませたく無かったんだよ」
「そんな…」
天馬は床に座り込んだ
直矢さん…
——————
暗い気分のまま、二人は雷門に戻ってくる
海音が見当たらない
もう部活が終わった時間だ 帰ったのだろう
「あいつ… 最近なんなんだよ」
車田は言った
「練習にも身が入ってないし、神童の見舞いにもいかないし」
「…海音、兄貴が亡くなったらしいです」
剣城は言った
「え…?」
「だから練習に身が入らなくなった …少し海音の気持ちを察してやってください」
——————
一人で暗い道を歩いていた時だった
携帯が鳴り、海音は出る
「もしもし…」
『海音かい?』
この声…もしかして…
「お父さん?」
それは北海道にいる養父だった
『…久しぶりだね』
「うん…久しぶり、どうしたの?」
『……明後日、直矢の葬式をすることになったんだ』
直矢の葬式?
『だから海音に北海道に帰ってきてほしいんだ』
「………」
でも明後日は…
「ごめんお父さん その日は決勝戦の当日だから戻れない」
『…そうか』
養父は残念そうに言った
「だから代わりの人を行かせるよ」
『わかった 決勝戦がんばれ』
そう言われて電話を切られた
そして海音は別の人に電話する
「もしもし…豹牙?」
『海音?』
豹牙の声だ
『どうしたんだよこんな時間に』
「…明後日 直矢の葬式なんだ」
海音は言った
「ボクは決勝戦があるから行けない…代わりに行ってくれる?」
『直矢…死んだのか』
豹牙は言った
『…わかったよ いってくる…決勝戦絶対に勝てよ』
「もちろん …じゃあね」
そして海音は電話を切った
今は…決勝戦の方が重要な気がした
——————
「ファイアトルネードDD!」
河川敷で天馬と剣城はファイアトルネードDDの特訓をしていた
二つのファイアトルネードがぶつかり、鋭いシュートとなった
「やった…成功だ!」
天馬は言った
「ああ…」
剣城も頷く
これを決勝戦で使えれば…きっと勝てる