二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第八話 ( No.17 )
- 日時: 2012/09/11 19:58
- 名前: 時橋 翔也 (ID: SZKU6Vs0)
栄都戦が終わってから、神童は一度も部活に来ていなかった
監督もキャプテンもいない中 ひたすらに海音達は練習していた
「…ボクがシュートしたから…かな」
海音は呟く
「しかし困ったな…キャプテンがいないとチームがまとまらない」
三国は言った
「…次の監督はフィフスセクターから来るんだろ?」
南沢は言った
すると向こうに剣城が座ってこちらを見ているのが見えた
剣城もフィフスセクターの一人で、シードと呼ばれている選手らしい
「………」
なんだか、剣城はいつも人を避けていて、寂しそうだった
「剣城〜 何してるの?」気になって海音は剣城に近づいた
剣城は顔を上げる
「…監視だ」
「監視?…それもフィフスセクターからの指示?」
「そうだ」
フィフスセクターって用心深いんだね
「…剣城ありがとね」
「は?」
「練習手伝ってくれて 助かったよ」
「…別に」
なんだか素っ気ないな…
海音が思った時だった
「…あれ…誰か来る」
サッカー部員達の声がして、海音と剣城も向こうを見た
白いジャージを着た青年がこちらにやって来る …あれ あの人どこかで…
「あ…」
海音は声を上げる
「みんな!今日から監督になった円堂守だ!宜しく!」
青年は言った
その青年は、かつてイナズマジャパンを世界一にしたキャプテンだった
「えええ?!」
剣城以外のサッカー部員は声を上げた
「…どういうことだ」
剣城は呟く
「…まさかあの人がフィフスセクターからの監督?」
「いや、フィフスセクターが送り込んだのは別の監督だ」
剣城は海音に言った
「早速だが、今日の練習を開始する」
円堂は言った
「場所は河川敷だ」
「河川敷?」
倉間は声を上げる
「ここじゃ見えないものが見えるかもしれないだろ」
円堂は言った
「いいか皆!今日からは試合に勝つための特訓をする!」
「え?!」
「じゃあ河川敷で待っているぞ!」
そう言って円堂は河川敷へ行ってしまった
「…どうする?」
「河川敷には行くが特訓はしない」
「俺も 何企んでるかわかんねーし」
「…天馬 先輩達は練習しないみたいだよ」
「うん…でも俺 もっと強くなりたい だから特訓するよ」
天馬は言った
「剣城は行く?」
「ああ…監視する」
監視…か
——————
「来たな」
目の前の海音達を見て円堂は言った
先輩達は皆向こうから見ている
「あの…宜しくお願いします!!」
「お願いします!!」
「…あんま固くなると怪我をするぞ」
円堂は三人に言った
「じゃあ特訓だ 天馬はドリブル練 信助はヘディング練 海音はダッシュだ」
「はい!!」
「…あれは…」
河川敷の向こうから見ていたのは、私服姿の神童だった
海音達が練習している…
「よーし シュート練に入る!」
「はい!!」
三人はゴールの近くまで行く
円堂は海音を見た
「お前のシュート見てたぜ …なんか昔の友達を思い出した」
「?」
よくわからなかったが、海音はシュートしてみる
「ダイヤモンドショット!!」
「…下手くそが」
遠くから見ていた倉間は呟く
「でも 楽しそうですね」
そう言った速水を倉間は睨み付けた
「お前らも特訓しようぜ!」
すると円堂は言った
「……チッ」
「あ…倉間くん待ってください!」
ぞろぞろと先輩達は出てきた
「円堂守に引き寄せられたのか」
神童は呟く
かつて廃部寸前のサッカー部を全国優勝に導いた伝説のキャプテン…
「次は剣城の番だ」
全員がシュートしたのを見て、円堂は剣城を見た 遠くでこちらを見ている
「…なに?」
「サッカーやろうぜ!」
サッカーやろうぜ…か
「…いいだろう やってやる」
剣城はこちらにやって来た
剣城のシュート…久々だな
「天馬 海音 なんか雰囲気まずいから…遠くで見ようよ」
信助に言われ、三人は少し離れた所で見ることにした
「剣城がんばれー」
「ばか!何で剣城を応援するんだよ!」
倉間は海音に言った
円堂はゴールに立っている 剣城のシュートを止める気かな
「デスソード!!」
剣城はシュートする
止めるのかと思いきや、軽々と円堂は避けてしまった
「なにっ?!」
「すごい…」
信助は呟く
「…必殺技で止めると思ったのに」
天馬は言った
「やるじゃないか剣城!」
「…ふん」
悔しそうに剣城は去っていった
——————
「よし!今日の特訓はここまで!」
集まった皆に円堂は言った
「…結局、グラウンドじゃ見えないものってなんだろ」
信助は呟く
「…それは、本気でサッカーしようとする仲間の顔だ 」
円堂は言った
「皆 ここに集まったって事は、サッカーがしたいからだろ?」
「皆がここに居ること…それが今日の特訓だったんだ!」
天馬は言った
「…海音」
皆が帰った後、円堂は海音を呼び止めた
「どうしました?」
「吹雪…元気か?」
円堂は訪ねる
「シロにぃの事ですか?元気だと思いますよ」
海音は言った
「そうか…」
「もしかして…昔の友達ってシロにぃの事だったんですか?」
「ああ…似ているんだ シュートのスタイルが」
シロにぃ…元気かな