二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第十話 ( No.19 )
- 日時: 2012/09/13 19:37
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
次の日 いつも通り海音はジャージを着て教室に入る
すると騒がしかった教室が一気に静かになった
「…?」
え?なに…?
そう思っていると、また騒がしくなったので、取り合えず席に座った
クラスの何人かが冷たい視線で海音を見ている
「…おはよ剣城」
「……おう」
海音は剣城を見てホッとした 良かった 剣城は普通だ
「ねぇ剣城、ボク何かしたかな…」
「………」
その時だった
「おい雪雨」
クラスの何人かの生徒が海音の席に近付いてきた
「…どうしたの?」
「お前何てことした!」
男子生徒は言った
「昨日突然、野球の大会 雷門は出場停止になった…サッカー部が問題起こしたからな!」
え…?
「ウチも、ソフトテニスで練習試合 断られた」
「俺もさ せっかくレギュラーになれたのに!」
「どうしてくれんだよ雪雨!」
「…ボクは…」
「ふん、くだらない」
すると剣城は言った
「だからって海音に八つ当たりか?弱いやつのすることさ」
「何だと!!」
するとチャイムが鳴った
ホームルームが始まるチャイムだった
「チッ…」
舌打ちをして、ゾロゾロと生徒達は席に戻っていった
「剣城…ありがとう」
「…勘違いするな、ウザかっただけだ」
剣城は海音に言った
——————
そして放課後の部活の時だった
「キャプテンが…退部?!」
円堂から話を聞いた皆は声を上げる
「ああ…だが俺は認めてない」
円堂は言った
「でも退部も当然だろ?それだけ言って帰ったなら …責任とったんじゃねーの?」
南沢は言った
「……キャプテンの家って何処ですか?」
海音は言った
「行ってどうするんだ?」
「会って…話をしたいです」
「…でも神童は強情だからな、それで退部を取り消すかどうか…」
霧野は言った
「じゃあ俺が教えてやる」
すると三国は言った
「神童の家なら何度も行ってるからな」
「俺も行くよ!キャプテンを止めないと」
天馬は言った
——————
三人は雷門を出て商店街の方に向かった
「………」
キャプテン…
何で辞めるんだろ
その時だった
「あ…母さん?」
三国は言った
海音と天馬は向こうを見る 髪の長い女性が店から出てくる
「あら、太一?」
女性はこちらに気づいて言った
「母さんどうしたんだ?」
「ちょっと買い物 …二人は友達?」
「あ…三国先輩の後輩の雪雨海音と言います」
海音は言った
「松風天馬です …三国先輩にはお世話になってます」
天馬は言った
「…そうだ、太一今度の試合見に行こうか?」
「いや良いよ、来なくて…」
三国は言った
「…中学に入ってからこうなの」
女性は海音と天馬を見た
「昔は来てくれって聞かなかったのに、中学に入ったとたん来るなって…私が見に行った試合は必ず勝つから、勝利の女神とも言われたわ」
「母さんよせって…」
三国は言った
「はいはい、…じゃあ練習頑張ってね」
そう言って女性は去っていった
天馬は三国を見る
「…もしかして勝敗指示でわざと負けるのが見られたくないからですか?」
「……行こう二人とも」
三国は答えずそう言った
——————
商店街を出て少し歩くと、大きな家が見えてきた 城のように大きな家に、海音と天馬は驚く
「ここが先輩の家ですか?」
「家…っていうか城みたい」
「神童の家は日本でも有数の財閥なんだ」
三国は言った
そして三人はドアの前までやって来る 海音はチャイムを鳴らした
「あのすいません、神童先輩いらっしゃいますか?」
『はい……お入りください 拓人様はお会いになるそうです』
執事は言った
「…じゃあ俺は先に戻るよ」
三国は言った
「え?会わないんですか?」
海音は言った
「後輩の方が話しやすいだろうしな…じゃあな」
去っていく三国を見て、天馬は口を開く
「海音…絶対キャプテンに退部を取り消してもらおう」
「うん」
そして二人は中に入った
中には高そうな物ばかり飾られ、高そうな絨毯がしかれている
「…拓人様のお部屋はこちらになります」
執事に言われ、二人は執事についていった
するとピアノの音がした きれいな音色で、それでいて悲しい曲だ
「これはキャプテンですか」
「はい、拓人様は帰ってから部屋に閉じ籠り、ずっとピアノを弾かれています」
執事は海音に言った
「ですが少々音が荒れています、拓人様は繊細なお方 すぐに音に出るのです」
「………」
二人は二階の部屋の前までやって来る
海音はドアを開け、二人は中に入る
部屋も広く、神童がピアノを弾いていた
「…何か用か?」
ピアノを弾きながら神童は二人に言った
「……上手ですね ピアノ」
「昔から弾いてたからな」
神童は天馬に言った
「………キャプテン、練習に行きましょうよ 皆待ってます」
海音は言った
すると突然神童は手をピアノに思いきり叩きつけた
「俺はもう辞めたんだ!もう…情熱なんかない!」
「違います!キャプテンは今でもサッカーが大好きな筈です!」
「うるさい!!」
神童は海音を睨む
「…これ以上、これ以上俺はサッカー部にいたら、俺は本当にサッカーが嫌いになる!」
「サッカーが出来るのに…試合が出来るのに何でプレイしないんですか!!」
海音は言った
「いいからもう帰れ!」
「…お願いいいですか?DVDで見たんですが、フォルテシモを見せて下さい …シュートの参考にするんで」
「帰れと言ってるだろ!!」
神童は叫ぶ
「…わかりました、天馬 帰ろう」
「うん」
二人は神童の部屋から出ていった