二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第十一話 ( No.20 )
- 日時: 2012/09/14 19:47
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「やはりダメだったか…」
帰ってきた二人から話を聞くと、三国は言った
「まだ…なんとかなります!」
天馬は言った
「……取り合えず、今は練習しよう」
すると円堂は言った
「…どうせ負けるのに」
口々にそう言いながら皆は屋内グラウンドに向かった
「…ん?」
すると、天馬はホワイトボードに何かを見つけた
手帳だった 名前は書かれてないが、字的に神童だと分かる
「海音!これ…」
「手帳、だね」
天馬は手帳を開いてみる
すると栄都、木戸川清修、天河原などの学校に対してのサッカーの戦術がびっしり書き込まれていた
「すごい…」
天馬は呟く
「キャプテンは、こんなに努力してたんだ だから神のタクトが出来るようになった」
海音が言った時だった
外から人の気配がした
「キャプテン…?」
海音はミーティング室を出る
すると人影が見えた
「キャプテン待って!」
「海音!」
二人は人影を追った
サロンに神童が立っていた
「キャプテン…やっぱりやめないでください!」
海音は神童に近づき言った
「そうですよ!キャプテンともっとサッカーやりたいです!」
「…辞めたって言ってるだろ!」
神童は言った
「俺達が栄都戦の時、フィフスセクターに逆らったことでどれだけ学校に迷惑がかかっているかわかるのか?!」
そう言われ、海音は朝のクラスを思い出す
あれは…フィフスセクターに逆らったから?
「…でもボクは、間違ったことはしてないと思います」
海音は言った
「俺もです キャプテンが辞めたら、サッカーが悲しみます!」
天馬は言った
「…サッカーを友達みたいに言うのはやめろ!!!」
そう言って神童は走り出した
「キャプテン!」
二人は神童を追いかけた
神童は校舎の近くの樹の前に立っていた
その顔は苦悩が滲み出ている
「キャプテン!…ボクは、円堂監督となら本当のサッカーが出来る気がします!」
海音は言った
「本当のサッカーってなんだ!今のサッカーに何の意味がある!」
神童は言った
「…サッカーは支配された サッカーを愛してないやつらに!! 俺だって、もうサッカーへの情熱はないんだ」
「…そんなの違います!…キャプテンはサッカーが大好きな筈です」
天馬はさっき見つけた手帳を取り出す
「それは…俺の…っ!」
すると再び神童は走り出す
「キャプテン…」
「…天馬は戻ってて、ボクが行くよ」
「でも…」
「大丈夫、キャプテンはサッカーをやめたりしないよ」
「…うん わかった お願い海音」
海音も神童を追って走り出した
——————
「キャプテン!…何で辞めるんですか?」
校内の林の中にいた神童に海音は言った
「何ででもだ!…今のサッカーに本気になる価値なんてない!!」
ボロボロと神童は泣いていた
「…そんなことないですよ、キャプテンが辞めるなんて、おかしいです」
「うるさい!」
神童は海音に背を向ける
「…俺には雪雨や松風のような勇気がない …俺なんかにキャプテンの資格なんて無いんだ」
「資格ならあるさ!」
すると向こうに円堂が立っていた
「監督…」
「サッカーが好きだから…涙が出るんだろ?」
円堂は言った
「……」
神童は円堂を見た
「俺は…本当は勝ちたいです!もう勝敗指示なんかに従いたくない…」
「その言葉を待ってたぜ …キャプテン」
「円堂監督!…力を貸して下さい!」
海音は言った
「ああ勿論さ、…負けていい試合なんてない!」
円堂は頷く
「…そうだ、お前たちに見せたいものがあるんだ」
「見せたいもの?」
海音は言った
「ああ…皆も呼んで行ってみようぜ」
円堂は言った
——————
他の皆を連れ、やって来たのは旧部室だった
円堂は鍵を開け、皆と中に入る
いろんなサッカーの道具が置かれていた
「…これは?」
海音は壁にあるラクガキを指差す
「これは俺が雷門にいた頃、皆と書いたんだ」
円堂は言った
「………」
剣城はその様子を見ていた
どうやら輪には入りたくないらしい
「剣城もおいでよ、すごいよ!」
海音は言った
「…いい」
剣城は首を横にふった
「なんか昔の雷門イレブンってサッカー大好きな感じがする…」
浜野は言った
「お前らだってそうだろ?…じゃあ優勝に向けて特訓だ!」
「はい!」
「………」
雪雨…神童を止めてくれてありがとう
そう思いながら霧野は皆と第二グラウンドに向かった
「………」
海音、やはりアイツに似ている
海音の後ろ姿を見ながら剣城は感じていた