二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第十三話 ( No.22 )
日時: 2012/09/16 11:25
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「なめやがって…」
そう呟き、隼総は背中から黒いオーラを出した

まさか…あれは…

「鳥人ファルコ!」
オーラは実体化し、鳥の化身となった

隼総は…化身使いか!

「行かせない!」
ボールを奪おうと、海音は隼総にスライディングを仕掛ける

「…ふん!」
「うわああ!!」
だが、いとも簡単に吹き飛ばされた

「痛〜…」
海音は立ち上がる
右足が切れて血が出てる けっこうだらだらと、やばくね?これ
「………」
まぁしょうがない!海音は急いでボールを追った

「キャプテン!」
隼総は隣の天河原のキャプテンにパスをする
そこへ神童はスライディングをかけ、ボールを奪った
「お前…いい加減うざいから!」
天河原の一人が強引に神童からボールを奪う

「くっ…みんな行ったぞ!」
神童は雷門のゴールに近づく天河原を見て雷門のDF陣に叫ぶ
「神のタクト!」
再び黄色い線が出現した
だがDF陣は動かずうつむく

雷門の殆どがフィフスセクターに従う…動かぬ仲間の前では神のタクトは無意味だ

「隼総!」
ボールは隼総へ
そして隼総はシュート体勢に入る
「ファルコウィング!」
空中のボールを化身と共にシュート
化身を使った化身技だ

「くっ…」
三国はフィフスセクター側…それでも三国は思わず反応した

だが止められず、一点取られてしまった
「太一頑張れー!」
ギャラリーから声がした
「母さん?!」
三国は思わず声を上げた

…来るなと言ったのに…

ここで前半終了 皆はベンチに戻る
「…俺は…どうすれば…」
三国は呟く
「化身使いか…厄介だ」
ベンチの横にいた神童は海音、天馬、信助に言った
「化身か〜…」
海音は呟く

ボクも化身使えないかな

「…って海音!どうしたのその右足!」
「え?」
天馬に言われ、海音は右足を見た

血が出て真っ赤に染まっていた
「うわあ…」
痛くないけど…酷くなってる
「…ほらよ」
すると何かが海音に向かって飛んできた
海音がキャッチすると、それは包帯だった

投げたのは剣城だった
「あ…剣城ありがとう!」
「…ふん」

「……やっぱり、この試合は負けると決まってたんだ…」
包帯を巻きながら海音は三国の話を聞いていた
「そんなことないですよ!まだ一点リードしてます!勝てますよきっと!」
天馬は言った
「…ボクも、勝ちたい…」
海音は呟く
「でも…相手は化身使いだよ、勝てるかな…」
信助は言った

「円堂監督!…俺達は勝ちたいです!!」
神童は円堂に言った
「ああ分かってる…お前らの勝ちたいと言う気持ち、伝わってくるよ」
円堂は言った
「…三国!」
すると円堂は三国を見た

「お前はフィフスセクターの指示に従おうとしながら、ボールを止めようとした…それがサッカープレイヤーの本能だからだ…皆!」
すると円堂は皆を見た
「これがお前らの求めるサッカーなのか?本当に勝ちたくは無いのか?」

「ボクは…勝ちたいです!!」
海音は立ち上がる すると右足に痛みが走ったが気にしない
「せっかく試合が出来るのに…勝たないと勿体ないです!」
「………」
せっかく試合が出来るのに…か
剣城は思った

そして後半戦がスタートした

「いくよ!」
海音からのキックオフ
そして神童にパスを出す

「この試合…絶対に勝つんだ!!」
「……!」

絶対に…勝つ…
「…俺だって…」
三国は呟く
昔は自分もそうだった サッカーが好きで、上手くなりたくてがむしゃらにボールを追いかけた

ただ…勝ちたくて
「…くっ」
本当は勝ちたい…
でもフィフスセクターに背けば、サッカーは出来ない…

俺は…どうしたらいい?

「そよかぜステップ!」
天馬は天河原を追い抜く
だがそこへ隼総がやって来る
「うわああっ!!」
簡単に天馬は吹き飛ばされた
「天馬!」
神童は叫ぶ
「くっそお!!」
海音はゴールに急いで戻る 入れさせるか!

「ファルコウィング!!」
再び隼総は化身技を繰り出す

「入れさせない!」
海音はゴールの前に立った
「…!ムダだ!化身シュートは化身使いにしか止められない!」
剣城は叫ぶが、海音には聞こえない

すると海音の周りの気温がガラッと下がった
天馬はハッとする

これは剣城と戦った時の…?

「はああ!…スノーウインド!」
海音の周りに雪混じりの風が吹く それはボールの速度を落としたが、止まらなかった
「うわっ!」
海音はそのまま吹き飛ぶ

すると次は神童が立ちはだかる
「化身使いにしか止められないなら…頼む俺の化身!力を貸してくれ!」
神童の背後からオーラが出てくる
そしてそれは青い髪の指揮者へと姿を変えた

だが、隼総とちがい完全に実体化しておらず、半透明だった

「うわあっ!!」
神童にも止められない

「……」
すると三国はキャッチの体勢に入る
「バーニングキャッチ!」
赤い炎を拳に宿し、三国はシュートを止めた

「…三人がかりで止めた?!」
隼総は呟く

「三国先輩…」
海音は三国を見る
「海音…お前のお陰で目が覚めたよ」
三国は海音にパスをした
「ゴールは俺が守る …行け!」
「はい!」

海音はかけ上がる
「天馬!」
そして天馬にパスを出す
そこに、化身を出現させた神童が見えた
「キャプテン!」
天馬は神童にパスをした

そこに隼総が入り込む
「そんな不安感な化身に何ができる!」
神童の化身とファルコがぶつかる

「…俺の化身よ!力を貸してくれ!」
すると神童の化身は完全に実体化した 覚醒した…?
「うわっ!」
覚醒した化身に勝てず、ファルコと隼総は飛ばされる

「できた…これが俺の化身 奏者マエストロだ!」
神童は次々とDF陣を突破し、ゴールの前に立った
「ハーモニクス!」
豪快な化身技のボレーシュートは天河原のゴールに突き刺さる

それと同時に試合は終了した
「やったあ!」
海音は天馬とハイタッチする

「本当に…勝敗指示を破って勝った…」
霧野は呟く
「どうしよう…もう言い逃れは出来ませんよ!」
速水は言った

「三国さん!ありがとうございます」
神童は三国に言った
「…やっぱり勝利の女神の前ではみっともないプレーは出来ないしな」
三国はギャラリーで手を振っている母親を見た

「…海音と天馬、あいつらは不思議な奴だ」
「そうですね…あいつらとなら変えられるかもしれない、この腐敗したサッカーを」
神童は言った