二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第十六話 ( No.26 )
- 日時: 2012/09/19 20:13
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「…?」
あれ?ここは何処だろう…
海音が居るのは、森のなかだった
夢の中かな…
「誰だ!」
すると声がした
海音の向こうに立っていたのは、同い年位の黒髪の少年だった
「ここは僕の森だ よそ者は出ていってもらう」
「あ…いや…そんなつもりじゃ…」
海音は言った
「……君は…海音?」
「え?何でボクの名を知ってるの?」
「試合を見てたんだ …女の子なのにあそこまでプレー出来るなんてすごいなって感心してたんだ」
少年は言った
「でも、まだまだ未熟さ…そうだ、僕とサッカーしようよ、勝てたら出口を教えて上げる」
「…わかった やろう」
海音はうなずいた
ルールは簡単で、少年が蹴ったボールを海音が止められたら勝ち
「うわあっ!」
だが、なかなか止められない
この子…サッカー上手い
「避けただけじゃ勝てないよ!」
少年は言うと再びシュート体勢に入る
そしてシュートした
その時だった
犬がシュートの軌道に入ってくる
「危ないっ!!」
海音は犬の前に立ち、周りの気温が下がった
「スノーウインド!!」
ボールは威力を失い、海音の近くに転がった
「!…犬をかばった?」
少年は呟く
そして微笑んだ
「…君面白いね」
「そう?」
犬が無事に向こうへ行くのを見届けると海音は言った
「まぁいいや、僕の名前はシュウ 出口を教えて上げる」
「本当?ありがとうシュウ!」
——————
その時 海音は気がつくとベットの上にいた
「あれ…夢?」
海音は呟いた
今日は試合の当日だ
海音は右足を見る
縫合手術は今日 でも試合が優先だ
夜桜に何があったのか知るために
「………」
海音は立ち上がり、棚の上から木の箱を取り出した
——————
「疲れた〜」
「もう少しだから」
音を上げる信助に天馬は言った
万能坂中は万能坂と言う長い坂の上にある
生徒には大変不評らしい
「………」
夜桜…
「…おい海音」
すると剣城が海音の横に来る
「縫合手術はどうしたんだよ」
「…秘密」
海音は言った
すると万能坂中が見えてきた
いかにも田舎な学校だった
「…夜桜…」
グラウンドに行くと、海音は呟く
グラウンドには万能坂の選手が全員揃っている
キャプテンの磯崎、夜桜もいる
「よお剣城!久しぶりじゃねぇか」
磯崎は剣城に近づく
夜桜も来た
「…海音、本当にサッカー部に入ったのか」
「うん …四人の約束だから」
「約束だから、…か」
夜桜は呟く
「夜桜、…本当に何があったの?」
「………」
すると夜桜は口を開く
「サッカーに…友を殺された」
「え?」
海音は声を上げる
「剣城…命令はわかってるな?」
「……ああ」
剣城は頷く
「………」
ボクを潰すことか…
「お前が雪雨か、…俺がキャプテンの磯崎だ」
海音の近くに磯崎がやって来る
「フィフスセクターに逆らうなんてな…バカな野郎だ」
「……そうかな」
海音は言った
それぞれのポジションに立ち、試合開始のホイッスルが鳴った
「天馬!」
海音は天馬にパスをする
だがその時だった
「遅い!」
「うわああ!!」
剣城は天馬からボールを奪った
まずい…剣城まさか…
「デスソード!」
剣城は雷門のゴールにシュートを決める
雷門の失点はオウンゴールとなった
「くっ…やはりか」
神童は呟く
やはり剣城も万能坂の仲間か
剣城…これが君のサッカー? 海音は剣城をじっと見ていた
海音からのキックオフ
早速倉間にパスをする
「…俺はフィフスセクターに従う サッカーを失いたくない」
倉間は言った
そして速水にパスをする
「…ふん」
「うわあっ!」
磯崎は速水にからボールを強引に奪う
審判の見えない位置での反則プレー…やつらは潰しのプロだ!
海音は磯崎に突進し、ボールを奪う
「…ちっ」
すると周りの万能坂の選手が海音にスライディングをかけてくる
海音はそれをかわした
「霧野先輩!」
そして海音は霧野にパスをする
そこへ磯崎がやって来た
「まずはお前から潰す!」
そう言って磯崎は強烈なスライディングをかけ ボールを奪った
「うわああ!」
「霧野!」
神童は霧野に近づく
あいつ…足を思いきり狙った…
「大丈夫か?」
「あ…ああ…」
よく見ると、霧野の脚は真っ赤に腫れ上がっていた
「あの腫れ方…やつらスパイクに加工をしてる…」
剣城は呟いた
海音は自分の右足を見下ろした
包帯が巻かれている …今あんなプレーを受けたら大変なことに…
「…でもやるしかない!」
海音は走り出した
ボールは夜桜へ、海音は奪おうと近づく
「…海音、俺はもう…サッカーが好きだった頃の俺じゃないんだ!」
夜桜はボールを奪おうとした海音にラフプレーを仕掛ける
「くっ…まだまだ!」
海音は強引に夜桜からボールを奪った
「お前 右足怪我してるな」
すると磯崎が近づいてくる
「だったらその足…蹴りつけてやる」
磯崎はスライディングを掛けた
まるで海音の右足を狙うように
「がっ…」
ボールを奪われ、とてつもない痛みが走って海音は倒れた
「海音!!」
天馬は近づく
右足を見ると、まるで銃で打たれたかのように血が溢れていた
「海音…これ…」
「…くっ…」
海音は辛うじて立ち上がる
「ボクはまだ…戦える!!」
海音は走り出した