二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第十八話 ( No.31 )
日時: 2012/09/21 20:06
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)

この日、天馬が住んでいる木枯らし荘に雷門のメンバーが来ていた 剣城以外の

「準決勝進出おめでとう!お祝いの特製ストロベリーケーキよ」
木枯らし荘の管理人の秋が持ってきたのは、大きなイチゴのケーキだった まるで売り物見たいにきれいだ

「わーすごい!」
葵は言った
「このイチゴもーらいっ!」
「あ!浜野くんずるいですよ!」

ケーキを切り分け、皆で食べていく とても美味しかった
「うまい…」
「金持ちの神童が言うから相当だな」
霧野は言った
「…何で剣城来なかったんだろ」
海音は呟く

まぁ剣城はこうした馴れ合いは苦手そうだから分からなくも無いけど

「…罰を受けるんじゃないですか?」
すると速水は言った
「え…?」
「彼はシードなのに雷門の勝利に手を貸して…ただではすまないと思います」

剣城…大丈夫かな…

「そういえば海音、右足大丈夫なの?」
「うん…万能坂戦のあとちゃんと縫合してもらって…今度抜糸なんだよ」
「抜糸って痛いんだよな…」
倉間は言った

「そういえば倉間は一度怪我をして縫合したことがあったな」
霧野は言った
「ああ、小5の時に階段から落ちて腕を怪我して…マジで抜糸は痛かった…」
「でも多分、ボクが縫った時よりは痛くないと思います」
海音は言った

「…海音、あれって何で縫合したの?」
「裁縫セットだよ」
「さ…ッ?!」
「よく我慢できたな…」
「皆とサッカーしたかったんで我慢しました」
「おいおい破傷風になるぞ」
雷門の皆は呆れた

——————

薄暗いホールに剣城は立っていた 立たされているとでも言うべきか

ホールの玉座に一人の男が座っていた 白い髪をストレートにした青年だ
現時点でのフィフスセクターのトップ 聖帝 イシドシュウジだった

これが…聖帝…
心の奥まで見透かされそうな目だ

「…ファーストランク 剣城京介…君は我々を裏切ったのかな?」
イシドは言った

「お前は命令に逆らい、雷門の勝利に手を貸した …シードとしてあるまじき行為だ」
近くの男は言った
「…今後このような事があれば、君の兄は生きる希望を失うことになる」
「……!!」
剣城は反応した

「…私は信じているよ、…次の試合で証明してくれたまえ」
「…………はい」
剣城は聖帝に礼をしてホールから出ていった

——————

次の日、海音達が朝練をしていた時だった
「みなさん!準決勝の相手についてミーティングがあるのでサロンに集まってください!」
葵は言った

「相手?相手は青葉学園と聞いたが…」
神童は呟く

前もって、円堂から相手は青葉学園だと聞いていた なのに何で…

訳も分からないまま、海音達はサロンに集まった

「…皆、次の相手が帝国学園に変わった」
円堂は言った

皆は驚愕の表情を浮かべる
帝国学園と言えば、かなりの強豪校の筈だ

「…帝国学園は、フィフスセクターの支配下にあると聞いたわ」
プリントを見ながら音無は言った
「とうとうフィフスセクターは本気で俺たちを潰そうと…」
「だが後戻りは出来ないんだ…勝ち続けるしかない」
皆はそんな話をしていた

「………」
そんな中、音無はプリントに釘付けになっていた
「どうしたんですか?」
気になった海音は訪ねる
「…帝国学園のデータを見ると、総帥が………鬼道有人になってるの」
音無は言った

鬼道有人と言えば、イタリアのプロリーグで活躍中のサッカープレイヤーだ かつてイナズマジャパンのメンバーだった事もある

「…鬼道さんて…音無先生の知り合いですか?」
天馬は訪ねる
「ええ…私の兄なの」

「えええッ?!!」
雷門の皆は声を上げる

「鬼道がフィフスセクターの支配下にあるとはとても思えないな…」
円堂は呟く
「………」

——————

「あ…」
教室に入ると海音は声を上げる
剣城がいつものように席に座っていた

「剣城!」
海音は隣に座る
「フィフスセクターから罰を受けた?」
「…別に」
剣城は向こうを見た

「………よかった…」
海音は言った
「…なんでお前が心配するんだよ」
「だって…剣城とサッカーしたいし…」
「………」

どれだけ能天気なんだこの女… 剣城は思った

——————

放課後、海音は乗っていたバスを降りた
そこは帝国学園だった

…部活終わったし、鬼道さんについて調べよう

帝国学園はまるで軍の基地のようで、生徒も制服はまるで軍服だ
学校という感じは、全くない

「………」
不気味だな…誰もいない廊下を歩きながら海音は思った

するとサッカー部が使っていると思われる屋内グラウンドにやって来る

雷門のグラウンドに負けないくらい広かった

「…練習してないのかな?」
誰もいないグラウンドを見て海音は呟く

すると近くのベンチに何かが置いてあるのが見えた
それはファイリング式のノートだった

なんだこれ…海音は手にとって開いてみる

きれいな字で、様々な戦略、必殺技、選手のデータ等が細かく記載されていた

「…ん?」
すると海音はあるページに目が止まった
とある必殺技のページだった

その時だった
突然、サッカーボールが海音めがけて飛んできた
「うわあっ?!」
それを察知した海音はノートを持ったままボールを打ち返した

「こちら御門、侵入者発見」
向こうに帝国学園のユニフォームを着た選手が何人か立っていた

やばい…見つかった

「やば…」
海音はノートのページを破り、それを持って走り出す

もちろん帝国も追いかけてくる
「まて!」
そういわれて待てるか! 言いたくなるのを押さえながら海音は突っ走った

海音の足について来れなかったのか、帝国学園の外に出たとき誰も追ってきていなかった

「助かった〜…」
このページは雷門でゆっくり読もう…少々犯罪ぽいけど

そう思いながら海音は歩き出した