二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第十九話 ( No.32 )
- 日時: 2012/09/22 14:16
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「…帝国学園は攻撃だけじゃなく、守りにも優れている」
次の日、ミーティング室で神童は言った
「ここをどう攻略するかがカギになるな」
円堂は頷く
皆には、昨日海音が帝国に侵入したことを言っていない
言ったら厄介な事になりそうだし
「…恐らく帝国にはシードも何人かいて、化身使いもいる筈だ」
霧野は言った
「……そうだ」
すると神童は声を上げる
「円堂監督、以前久遠監督と提案した アルティメットサンダーという必殺タクティクスがあるんです」
「アルティメットサンダー?」
信助は声を上げる
「何人かでボールをパスしてエネルギーを溜め、それを最後の一人が相手のDF陣にシュートして守りを崩すんだ」
三国は言った
「…でも最後のボールを蹴るのが成功しなくて…封印されていたんです」
速水は言った
「…わかった やってみよう」
円堂は言った
「誰がボールを蹴る?」
「俺が始めにやるよ」
神童は言った
——————
屋内グラウンドに行き、早速特訓を開始する
「じゃあいくぞ!」
車田は言った
始めに車田が浜野に、浜野から天城に、天城から霧野にとパスを繰り返す
そして待ち構えていた神童はエネルギーの溜まったボールを蹴りつける
「くっ…うわあっ!!」
だがキック力が足りず、吹き飛ばされてしまった
「やっぱりダメか…」
「じゃあ俺もやってみる」
倉間は言った
だが、倉間でもエネルギーの溜まったボールをコントロール出来なかった
「くっ…」
この必殺タクティクスは南沢でも出来なかった
やっぱり…俺も無理か
「海音もやってみろ」
「あ…はい!」
神童に言われ、海音は歩いてくる
四人分のエネルギーが溜まったボールが海音のもとにやって来る
海音はボールを思いきり蹴りつけた
「うわあっ!!」
二人よりは形にはなったが、それでもキック力が足りず吹き飛ばされた
「海音…足大丈夫か?」
右足をみて神童は言った
「はい…いてて」
海音は右足を抑える
よし…もう一回…
「ぶっとびジャンプ!!」
信助は第二グラウンドで天馬と必殺技の特訓をしていた
そして今、完成した
「やった!できたよ信助!」
「うん!ありがとう天馬!」
これで先輩達の役に立てる!
——————
「アルティメットサンダー!」
神童は言った
だが失敗した
「…キック力が足りないんだ」
海音は呟く そしてハッとした
…もしかしたら、剣城なら出来るかもしれない
「もしかしたら剣城なら…」
「でも、あいつ全然練習に来ないぜ?」
倉間は言った
「…じゃあボクが聞いてきます」
海音は言った
「大丈夫なのか?」
「丁度今日は抜糸の日だし、剣城病院にいると思います」
そう言って海音はグラウンドを出ていった
——————
病院に行くと、海音は辺りを見回す
いないな…
「…あ」
すると優一が見えた
「優一さん!」
「海音くん?」
海音が近づくと、優一は言った
「あの…剣城来てま…」
「…海音?」
海音が言い終わる前に声がした
剣城がコンビニの袋を持って立っていた
「あ…剣城」
「…今日は抜糸か?」
「うん…あのさ…」
海音は剣城に近づく
「剣城…なんで練習に…」
「海音、…向こうで話そう」
剣城は海音が言い終わる前に言った
コンビニの袋を優一に渡し、剣城は海音を連れて外に出た
「剣城…まさかフィフスセクターだって事優一さんに言ってないの?」
海音は訪ねる
剣城は頷いた
「…兄さんはフィフスセクターを嫌っているからな」
「……」
海音は口を開く
「剣城ってもしかして…優一さんの足を治すためにフィフスセクターに入ったの?」
剣城が反応したのを海音は見逃さなかった
「…兄さんの足の怪我は、俺のせいなんだ」
「え?」
海音は声を上げる
「昔…木に引っ掛かったボールを取ろうとして、落ちた俺を兄さんが庇ってくれた…でもその代わり兄さんはサッカーが出来ない足になった」
「だから…剣城はフィフスセクターに入って手術費を…」
全て納得した
「…ボクさ、アルティメットサンダーについてアドバイスもらおうと思ったんだ」
「え?」
「でも…いいや ボクらで何とかする…じゃあね ボク 抜糸あるから」
そう言って海音は病院の中に戻っていった
剣城も、苦しんでたんだ
「………」
試合には…来るのかな
でも、優一さんの事があるから強制は出来ない
剣城ならきっと…アルティメットサンダーを完成出来るのに…