二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第二十話 ( No.33 )
日時: 2012/09/23 14:23
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


今日の練習は河川敷で行った
アルティメットサンダーは海音を中心にやっていた 何とか形にはなったが完成とは言えない

「ダイヤモンドショット!」
海音はゴールに思いきりシュートする
威力は徐々に上がっているが、いつまでもこれに頼るわけにはいかない
「俺もシュート技考えようかな」
海音のシュートを見ていた天馬は呟く

「いいんじゃないか?ポジションに囚われずに技を編み出すのも」
すると円堂は言った
円堂も、GKでありながらシュート技を覚えていたのだ
「まぁボクだってFWなのにブロック技持ってるしね」
海音は言った
「じゃあ…教えてください監督!」
「ああ、良いぜ」
円堂は頷いた

「………」
剣城、明日試合だけど今日も来ないんだ… 海音は思った

練習が終わり、海音が商店街を歩いている時だった
「よぉ海音!」
後ろから声がした
振り返ると、そこに居たのは万能坂のジャージを着た夜桜と磯崎だった

「夜桜?…それに磯崎」
「なんか俺の扱いひどくねぇ?」
磯崎は言った
そりゃそうだ、あんなことしたんだから
「どうしたの二人とも…」
「見にきたんだ、…練習頑張ってるな」
夜桜は言った

「次は青葉学園とだっけ…?」
「ううん、帝国学園に変わったんだ」
海音は言った
「帝国か…だいぶ厄介な相手だな 」
磯崎は言った
「…帝国にはシードは三人で、DFの龍崎もその一人だ …そいつは化身使いだからかなり手強い」
夜桜は言った

「…化身ってどうやって出すの?」
海音は訪ねる
「何て言うか…きっかけが必要なんだ」
「きっかけ?」
「俺の場合、…サッカーに復讐してやろうと奇術魔ピューリムを生み出した」
夜桜は言った

きっかけ…か

「…にしても海音よく入れたな 監督にはばれなかったのか?」
「なんとかね」
「?…どういう事だ?」
訳のわからない磯崎は二人に訪ねる
「…磯崎、こいつこう見えて女子なんだ」
「………えええええっ!!!」
磯崎は絶叫した

「昔は二つ縛りだったけど…だいぶ髪切ったな」
「女だとばれたくないしね」
海音は言った
「…女子であの身体能力か…」
磯崎は言った
「でもボクはまだまだサッカー上手くないよ」
海音は言った

すると磯崎は腕時計を見た そして目の色を変える「ヤバイ!そろそろ練習が始まる!…行こうぜ光良」
「ああ…じゃあな海音」
二人は駆け足で海音のもとを去っていった

——————

試合当日
みんなは雷門に集まったが、剣城は来なかった

「剣城…」
「…結局来なかったね」
天馬は言った

それぞれキャラバンに乗り込み、帝国学園へと出発した

——————

海音達は帝国学園の校舎の廊下を進み、屋内グラウンドにやって来る
前に海音は来たことがあるが、やはり学校と言うより軍隊だ

グラウンドにはすでに帝国の選手がいた もちろん海音を追ってきた人もいる
「…剣城はいないのか、なめられたものだ」
帝国の一人は言った

するとグラウンドにドレッドヘアーの青年と、独眼の青年が入ってくる
「鬼道…それに佐久間…」
円堂は呟く

「久しぶりだな円堂」
ドレッドヘアーの青年 鬼道は円堂に言った
「なんで…お前がフィフスセクターに従っているんだ!」
「サッカーには管理が必要だ」
鬼道は円堂に言った

「フィフスセクターができる前、サッカーが地位や価値を決めていた フィフスセクターができる前のサッカーがまともだと言うのか?」
「兄さん…」
音無は呟く
「…俺はサッカーを信じてる きっと、昔みたいな楽しいサッカーに戻れると!」
円堂は言った

——————

「…いいのか京介、試合に行かなくて」
病院で試合をTVで見ていた優一は剣城に言った
「あいつらは…俺なしでも戦える」
剣城は言った

すると部屋の外に気配を感じた …あの人か
「…なんか暑いな、飲み物買ってくる」
そう言って剣城は部屋を出ていった

「…?」
京介どうしたんだろう… 優一も部屋のドアに近づくと、外から声がした

「…剣城くん 何故試合に出ないのです?我々は雷門に敗北を与えるよう命令した筈ですが」
「…俺が出なくても、雷門はきっと負けます 帝国は強いので」
「だといいですがね、もし雷門が勝てば、お兄さんの手術費は諦めてもらいます」

「…!!」
京…介…

——————

「…いい?帝国は強いわ 兄が指揮をとっているからなおさらね」
音無はチームの皆に言った
「…円堂、お前の覚悟、見せてもらおう」
帝国のベンチで鬼道は呟いた

それぞれのポジションに立ち、試合開始のホイッスルが鳴った

先行は雷門だった
「倉間先輩!」
海音は倉間にパスを出した
だがそこに帝国が入り込む
速い…!

だけど負けられない!

海音はスライディングをかけてボールを奪い返した
「キャプテン!」
ボールは神童へ渡った
かけ上がる神童に帝国は邪魔をする
「サルガッソ—!!」
二人が神童を取り囲み、強力な風を起こしてボールを奪った

「…攻撃開始!アルファ ワン!」
鬼道がベンチから叫ぶ

すると帝国のキャプテンがボールを強引に奪い、そのまま雷門のゴールにやって来る
「皇帝ペンギン7!!」
七色のペンギンと共に強力なシュートが放たれる

「うわあっ!」
三国はシュートを止められず、雷門は一点を奪われた

帝国は強い… 勝てるのか? そんな思いが選手達の中で巻き起こる

「…帝国に勝つには、やはりアルティメットサンダーしかない!」
そう言うと、神童はボールに向かって走り出す

そしてボールを奪うと、叫んだ
「行くぞ!アルティメットサンダー!!」
練習通り、四人のパワーがこもったボールを神童は蹴りつける

だが、失敗した

「キャプテン!」
やっぱりダメか…
「遅い!」
するとこぼれたボールを帝国の一人が拾った
「竜騎士テディス!!」
背後から竜騎士の化身が出現した

そしてゴールの前に来た

化身技では無くとも、かなり強力なシュートを放った
「バーニングキャッチ!」
三国も技を放つが、止められなかった

海音はボールを奪い、かけ上がる
強力なDF陣を突破し、シュート体制に入る
「ダイヤモンドショット!!」
渾身のシュートだった

だが簡単に止められてしまった
「ふっ…帝国の守りをなめるな」
GKは言った

「このままじゃ…」
海音は呟く
このままじゃ負ける
剣城がいればきっと勝てるのに…

その時、海音の中にある考えが出た そうだ 前に奪ったノートのページに書いてあった必殺技を使えば…
「……」
勝つためには…仕方がない

そう思い、海音は相手から強引にボールを奪った

「海音パスだ!」
神童は叫ぶが、海音はそのまま突っ走った

「海音…?」
天馬は呟く
様子がおかしい いつもはあんなプレーしないのに

再び海音はゴールの前に来た
もしかしたら、ボクは…そう思いながら海音はシュート体制に入る
海音は思いきり指笛を吹いた

「なんだ?」
円堂は呟く
皇帝ペンギン7?…いや違う まさか…
「やめろ海音っ!!」
円堂は叫んだ

周りの選手は皆海音を見た
赤いペンギンが地面から飛び出す

「ダメだ海音!!その技は…」
円堂が言い終わる前に、海音はシュートを放った

「皇帝ペンギン……1号!!」