二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第二十三話 ( No.38 )
- 日時: 2012/09/26 20:16
- 名前: 時橋 翔也 (ID: cASJvb5A)
「あ…剣城」
雷門の廊下で剣城を見かけ、海音は声をかける
「…海音、今日から俺も練習に出る」
「本当!?頑張ろうね!」
海音は言った
あ、そう言えば…
「…優一さんの事はもういいの?」
「……いいんだ これからは俺と兄さんのサッカーをする」
「剣城…」
——————
放課後、第二グラウンドで紅白戦が行われた
剣城も来ていた チームの一員として
「剣城!」
倉間は剣城にパスをする
そこに海音がスライディングをかけてボールを奪う
「くっ…」
「天馬!」
海音は天馬にパスを出す
すると天馬の背後からオーラが見えた
「…!」
あれは…化身の?
紅白戦が終わると、葵達マネージャーがドリンクをくれた
だが天馬は休まず特訓を続けている
「天馬少し休んだら?」
「いや…力がなんだか湧いてきて…頑張れば解放出来そうで…」
「………」
そんな天馬を、剣城はじっと見ていた
その時だった
「…?」
なんだ…?
人の気配がして海音は向こうを見る
すると向こうへ走っていく人影が見えた
「誰だろ…最近見られてる気がするけど」
海音は呟く
「もしかしてフィフスセクターが俺達を監視してるとか?じゃあほっとけねぇ!」
浜野は言った
「や…やめた方が…本当にフィフスセクターだったら…」
「俺達の革命はジャマさせねぇ〜」
浜野はそう言って人影を追っていった
「俺達も行ってみよう」
神童が言うと皆は浜野を追って走り出した
追っていくと、そこは駐車場だった
浜野は二人の人影の前に立っている
「あの人達…」
海音は呟く
見覚えがあった
黒の騎士団戦の後、辞めてしまった二軍の二人だ
確かキャプテンの一乃と青山
「…何で見てたんだ?」
浜野は訪ねる
「…すまない 帝国戦を見てたんだ お前達の本当のサッカーを」
青山は言った
「それを見て思った 俺達はサッカーが好きなんだって …だから、もう一度サッカーに入れてください!」
「お願いします!」
二人は頭を下げる
「…フィフスセクターと戦うんだぞ?」
神童は言った
「いいんだ …もうサッカーが好きと言う気持ちに嘘はつきたくない」
一乃は言った
「…わかった よく戻ってきてくれたな」
神童は頷く
この人達…本当にサッカーが好きなんだな…
海音は思った
「…松風」
すると剣城は天馬に話しかける
「お前 化身を出せるんじゃないか?」
「俺が…化身?」
天馬は言った
「そう言えば海音も…」
神童は海音を見た
帝国戦の時、オーラが見えていた
「二人が化身を使えたら次の相手にも勝てるかもな」
三国は言った
次の相手は確か海王学園
勝敗指示どおり勝ってきたので強さはわからない
だが…強豪だと音無は言っていた
練習が終わると、海音は携帯を取り出す
そしてメールをした 相手は夜桜だ
『今日ヒマ?もし時間があるなら練習に付き合ってくれない?』
まだ練習してるかな…
そう思っていたが、意外と早く返信は来た
『わかった 万能坂はまだ練習してるから、良かったら一緒に練習しないか?』
「万能坂と練習か…」
面白そう
そう思って海音は返信した
『いいよ〜 じゃあ今から万能坂に向かうから』
海音は携帯を閉じる
万能坂はバスで行くと大体三十分位かな
「海音帰らないの?」
すると天馬は言った
「いや…これから用事があるんだ」
「へぇ〜練習?」
「うん」
海音は頷いた
——————
万能坂を登り、万能坂中が見えてくる
雷門のようにサッカー棟がある訳じゃないから、いつも外のグラウンドを使っているようだ
「来たな海音」
グラウンドに行くと、夜桜がいた
「帝国戦見てたぞ…すごい試合だった」
すると磯崎は言った
「決勝の相手は決まったか?」
「うん 海王学園だよ」
海音は言った
すると練習をしていた他の部員達がこちらを見る
「海王学園が相手か…厳しいな」
夜桜は言った
周りも頷く え?そんな強いの?
「海王学園って…そんなに強いの?」
「ああ…海王学園は選手全員がシードだ」
磯崎は言った
一瞬海音の頭の中が真っ白になる
「え…本当に?」
「こんなときに嘘なんかつくかよ」
夜桜は言った
マジか…
「まぁ…やるしかない」
「前向きなのは昔と変わんないな」
夜桜は言った
「…夜桜、ボク 化身を出したいんだけど…」
「化身か…まぁ海音なら出来るかもな …じゃあピューリムを使うか」
「ピューリムを?」
海音は言った
「化身を出すには何か大きなきっかけか、他の化身の力を借りて呼び覚ます方がいいんだ」
夜桜は言った
「じゃあ…お願いします」
「わかった…いくぞ」
夜桜からオーラが出て、それはピエロに変わる
「寄術魔ピューリム!」
すると海音の中に何かが動く感じがした
これは…
「あ…!」
磯崎は声を上げる
海音からオーラが出ていた
「…磯崎!」
「!…わかった」
すると磯崎は近くのボールを海音めがけてシュートした
「え…?」
海音はボールが近づくのを見た
まずい!止めないと!
海音はボールを打ち返そうとした 時だった
海音のオーラが形をつくり、髪の長い女性となる うすい青色で、まるで氷だ
「え?」
足を使い、海音は思いきり蹴り返した
そのシュートは、磯崎が受け止める
「雪雨…化身を出せたぞ!」
「やった…」
これが…化身…
だがすぐに氷の女性は消えてしまった
「海音は見ただけで技をコピー出来るからな…すぐに出来るとは思ってたけどここまでとはな」
夜桜もピューリムを消した
「でも…始めのキャプテンのように、少し半透明で…まだ完璧じゃない」
海音は言った
「…で、名前どうする?」
「名前?」
「化身なんだから名前必要だろ」
「名前か〜…」
海音は考え、そして思い付く
「雪の女王シヴァ …でどう?」
「いいと思う」
夜桜は頷く
雪の女王シヴァ…ボクの化身か…