二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第二十五話 ( No.42 )
日時: 2012/09/28 20:50
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「…あ…」
海音は声を上げる

居たのは、前に来たあの森だった

いつの間に寝たんだろ…

海音は辺りを見回す
すると向こうの樹の近くにシュウがいた

「シュウ!」
海音はシュウに近づく

「海音…」
「この前…夜桜の時はありがと」
「いいんだよ 別に」
シュウは言った

シュウが見ていたのは、樹の近くのお地蔵様だった
あまり見ないポーズをしている

「シュウ…これは?」
「このお地蔵様は、この島の守り神と言われているんだ」
シュウは言った
「へぇ〜 でも何で頭にボール乗せてるの?」
「この島には、古くからサッカーみたいに玉を蹴りあう競技があったんだ」
「じゃあこれはサッカーボール?…サッカーの神様だね」
海音は言った

「そうだね…でもこの島ではサッカーで大事な事を決めてた 村のリーダーとかね だから僕も昔からボールを蹴ってた」
「だからシュウはサッカーが上手いんだ!」
海音は言った

ボクももう少しで…化身を使いこなせるはず

——————

「…あれ?」
気がついたときには、海音はまたベットの上にいた

夢…かな…

「まぁいいや…着替えないと」
そう呟き、海音は着替え始めた

——————

決勝はホーリーロードスタジアムで行われる

海音達はキャラバンで移動し、グラウンドに来るとギャラリーからの歓声が凄かった

「皆!絶対に勝って全国に行くぞ!」
「おおッ!!」

「…革命なんて…出来るわけ…」
速水は呟く

海王の選手も向こうに立っていた
浪川は剣城を睨んでいる
「剣城…テメェの首は俺がもらう」

それぞれのポジションにつき、試合開始のホイッスルが鳴った

海王は全員シード…大丈夫 今まで練習したんだから 化身も使えるし!

でも…本当に勝てるの?

「うわああ!」
「ふっ…」
すると開始すぐにボールを奪われた

「行くぞ雷門野郎!」
海王の一人がスゴいスピードでゴールの前に立つ
「フライングフィッシュ!」
トビウオと共にボールはゴールに突き刺さる

僅か三分で先制点を奪われてしまった

「みんな!パスを繋ぐんだ!」
神童は叫ぶ

海音からのキックオフ 早速天馬にパスをした

「倉間先輩!」
天馬は倉間にパスを繋ぐ

「サイドワインダー!」
まるでヘビのようなシュートが放たれる
「ハイドロアンカー!」
だが 地面から表れたいかりを利用した必殺技に阻まれた

「シードをなめるな!」
ボールは浪川に渡り、そのまま突っ走る
「行かせない!」
そこに海音がスライディングをかけた

だが かわされてしまう

すると浪川は他の海王の選手にパスを出した
「これ以上点はやらない!」
天馬の周りに風が吹き始める

「スパイラルドロー!!」
天馬は必殺技でボールを奪い、剣城にパスを出す

剣城はゴールの前に来た
「デスドロップ!!」
赤と黒のオーバーヘッドシュートは海王に止められず、ネットを揺らした

これで同点弾だ

「…遊びは終わりだぜ!音速のバリウス!」
海王の一人から化身が出現する

化身使い…!

「オーバードライブ!!」
化身技を使い、天馬と神童は吹き飛ばされてしまう
「うわああ!!」
「くっ…」
海音もかけ上がる

こうなったら仕方ない 未完成だけど 化身を使うか…

海音の背後からオーラが出てくる
「雪の女王シヴァ!!」

「な…海音が化身!?」
神童は声を上げる

「どけ!」
「うわっ!」
だが 半透明なシヴァはバリウスによって簡単に吹き飛ばされた

やっぱり使いこなせてない…

そして浪川にボールが渡った
「海王ポセイドン!」
大きな槍を持った化身を出現させ、シュート体制に入る
「ヘヴィアクアランス!!」
強力な化身シュートだ

「バーニングキャッチ!」
三国は必殺技を繰り出す
だが 止められずシュートを入れさせた

再び海王のリードとなる

「お前…化身が使えるようになったのか?」
剣城は海音に言った
「…夜桜と磯崎のおかげさ」
「光良と磯崎が?」
「ちょくちょく万能坂で練習してたんだけど、そのおかげかもしれない…でもまだ化身は使いこなせてない」
海音は言った

試合再開 剣城からのキックオフ
「海音!」
剣城は海音にパスを出す
「サルガッソー!」
だが そこに海王の二人がやって来て必殺技でボールを奪われた

「ザ・ミスト!」
霧野の周りに霧が発生する そしてボールを奪い 天馬にパスした

「精鋭兵ポーン!」
すると目の前の海王の選手がシンプルな化身を出現させる
「はああッ!」
立ち向かう天馬の背後からオーラがハッキリと見えた

だがボールは奪われた
「浪川!」
再び浪川にボールが渡った
そこに剣城がやって来る
「浪川!」
「剣城か…」
浪川は言った
その目は憎悪に溢れている

すると浪川は止まった
「…仲間を裏切り、更にはフィフスセクターまで裏切るとはな…お前も落ちぶれたものだな!」
「………」

仲間を…裏切る?
海音は思った

「…ひとつ聞く、剣城 何であの日…」
そして浪川は言った

「何であの日…仲間を、華音を殺した!!」