二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第二十六話 ( No.43 )
- 日時: 2012/09/29 19:58
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「何であの日…仲間を、華音を殺した!!」
スタジアムに浪川の声が響く
周りの選手が皆剣城と浪川を見た
「剣城…?」
殺したって…
どういうこと?
「答えろ剣城!」
「…くっ…」
剣城は顔を背ける
「ちっ…海王ポセイドン!」
「ぐわああッ!!」
剣城を吹き飛ばし、浪川はゴールの前にやって来る
「ヘヴィアクアランス!!」
再びあの強力な化身シュートを繰り出した
「バーニングキャッ…うわああ!!」
技を繰り出す前に三国はシュートを入れさせてしまった
ここで前半戦が終わった
皆かなり疲れている
「………」
剣城はうつむいたままだ
心配になった海音は剣城に近づく
「剣城…大丈夫?」
「…ああ」
剣城は言うと、ベンチに戻っていった
「剣城…殺したってどういう事だ?」
神童は訪ねる
「………」
剣城は答えない
「まさか…人殺しとか…?」
浜野は言った
「ま…まさかそんなわけ…」
天馬は言った
「…にしても海音、お前化身が使えるようになってたんだな」
三国は言った
「でも…まだ完全に実体化してないんです」
海音は言った
俺の化身も…あと少しで出せそうなのに…何かが足りない
天馬は思った
「………」
すると海音は歩いていった
「海音どこにいくんだ?」
「ちょっと顔を洗ってきます」
そう言ってギャラリーの下の通路を歩いていった
「…やっぱりここにいたんだ」
洗面所にいくと、そこには浪川がいた
浪川はこちらを見る
「テメェ…雷門の…」
「雪雨海音だよ」
海音は言った
「…あの 華音って誰なの?」
「………」
浪川は水を止めた
「剣城に殺されたシードさ」
「殺されたって…」
「そのまんまの意味でな」
浪川は言った
そして洗面所を出ていった
——————
「…天馬、後半はお前がGKになれ」
海音が戻ると、円堂は言った
「俺が…GKですか?」
天馬は聞き返す
そんな…出来るのかな
不安の中、天馬は三国とユニフォームを交換した
「…ねぇ剣城 華音と浪川って仲良かったの?」
海音は剣城に訊ねた
「浪川は…前は明るくて、シード達の兄貴的な存在だったんだ …だから仲間は大切にしてた 特に仲が良かった訳じゃない」
剣城は言った
後半戦が始まった
GKは天馬だった
「…もしかして」
剣城は何かに気づき、円堂を見た
「…何考えてるか知らねぇが、野郎共!遠慮はいらねぇ!ぶっ潰せ!!」
浪川は叫んだ
「音速のバリウス!!」
加速ユニットがある化身が再び表れ、雷門のDF陣を蹴散らした
そしてあっという間にゴール前にやって来る
「俺らはシード…お前ら何かに負けるかよ!!」
シュート体制に入る
と…止められるのか?
「怯むな!!」
剣城の声が飛んでくる
「サッカーを守るんじゃ無かったのか!!」
「…!!」
そうだ…
出来るかじゃない 止めないと!
強力な化身シュートが飛んでくる
集中しろ…
「絶対止める!!」
その時だった
天馬からオーラが出て、それは羽が生えた化身に姿を変えた
化身はボールを打ち返した
「なんだと?!」
浪川は叫ぶ
「やはり…」
剣城は呟く
天馬をGKにしたのは、集中力を高めて気を膨らませる為だったんだ
海音は思った
「やった…俺の化身 魔神ペガサスだ!」
「天馬!お前はフィールドプレイヤーに戻れ…化身は使えるな?」
「はい!」
「………」
ボクだって…もう少しでシヴァが完成する
「速水!!」
霧野は速水にパスを出す
パスを受け取った速水はかけ上がる
やる気になれば…
本当に革命は起こせるのかもしれない!
「ゼロヨン!!」
必殺技で敵をかわし、海音にパスを出した
「行かせるか!」
そこに浪川の化身が立ち塞がる
海音も化身を出現させた
「雪の女王シヴァ!!」
二つの化身がぶつかった
するとシヴァは完全に実体化した
「うわああ!」
浪川を払い除け、海音はゴールの前にやって来る
すると海音の周りに吹雪が起こり始める
ボールは白く光り、シヴァの槍と共にシュートした
「ブリザード・オブ・インフィニティ!!」
「ハイドロアンカー!」
海王もゴールを守ろうとするが、止められず入れてしまった
「やったな海音」
海音は剣城とハイタッチする
「………」
浪川は剣城を思いきり睨み付ける
華音…お前の仇は俺が取ってやる
試合が再開され、海王はゴールへかけ上がろうとする
「スパイラルドロー!」
天馬はボールを奪い、剣城にパスを出した
「みんな行くぞ!神のタクト!!」
神童の右腕から光る線が出現した
その指示に従い、ボールは剣城から海音、海音から天馬、天馬から信助に渡った
「ぶっとびジャンプ!」
信助は思いきりシュートする
必殺技を出す暇を与えずにシュートは決まった
海王と雷門は同点弾になった
全員シードの俺達と互角に戦っている… 浪川は驚愕の表情を浮かべた
浪川からのキックオフ
天馬は化身を出現させた
「魔神ペガサス!!」
天馬はスライディングをかけ、ボールを奪った
そして剣城にパスを出す
そこに浪川が追い付いた
「負けるかよ…華音を殺したお前なんかに!!」
「くっ…」
動きが鈍くなった剣城からボールを奪い、浪川はゴールにかけ上がる
そして他のメンバーにパスした所に海音は割り込んだ
「剣城しっかり!」
走りながら海音は言った
「スケーティングアイス!」
華麗なドリブルで海音はゴールに近づき、近くの神童にパスした
「フォルテシモ!!」
軽やかなボレーシュートは 海王のゴールを直撃した
ここで試合終了のホイッスルが鳴った
勝ったのは雷門だ
「…!!」
浪川は膝をついた
「すまない華音…俺は…仇を討てなかったッ!!」
「………」
ボロボロと涙を流す浪川を、剣城は遠くから見ていた
「やったね天馬!全国大会進出だよ!!」
海音は言った
「うん!頑張ろうね!」
天馬は言った
「華音…すまない…」
「もう止めてくださいキャプテン!!」
すると海王の一人が声を上げた
「喜峰…」
「キャプテン…あんたは華音が死んでから、剣城に対する復讐心に囚われている!!周りの事を見てない!!…前の仲間想いで、優しくて明るかったキャプテンは何処に行ったんですか!!」
喜峰は叫ぶ
「浪川…」
剣城は浪川に近づく
「剣城?」
「…確かに あれは事故じゃない 俺が殺した」
剣城は言った
「何で…殺した?」
「………」
その時だった
「…くっ…」
突然剣城は首を押さえた
「剣城どうしたの?」
海音は近づく
すると剣城は膝をついた
「剣城!?」
「なんだ…これは…」
剣城は呟く
首が焼けるように痛い
しかも本当に焼かれて居るようにどんどん熱くなっていく
「…おい剣城見せろ!」
すると喜峰は剣城に近づく
そして手を避け、首を見てみると、真っ黒なアザが出来ていた
「やっぱり…」
「どういうことだ喜峰!」
浪川は言った
その時、気を失って剣城は地面に倒れこんだ
「剣城!」
雷門の皆も剣城に駆け寄る
一体…何が起こっている?