二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第二十九話 ( No.48 )
- 日時: 2012/10/02 19:43
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
海王戦から数日が経った
皆 剣城に大丈夫なのかと声をかけていたけど、剣城は大丈夫ですとしか言わなかった
話したくないんだろうね
ボクらに話したあの事は
そう思いながら海音は歩いていた 昼食食べないと…
「海音〜!」
後ろから声がして、海音は振り返る
天馬と信助、それに見知らぬ少年がいた
「海音、一緒に昼食食べよ」
「うん…天馬 その子は?」
「今日 転校してきた狩屋マサキくんだよ」
天馬は言った
穏やかそうな少年だった
「初めまして!俺は狩屋マサキ 宜しくね海音くん」
「…雪雨海音だよ 宜しく」
『くん』か…
…全国大会始まるし、そろそろ言うべきかな ボクが女子だということ…
——————
放課後、海音は部活に向かった
「………」
どうしようかな… 女子だと知ったら皆 ボクの事どう思うだろう
「…海音?」
「うわあっ!?」
突然声をかけられて、海音は思わず声を上げた
そこに居たのは剣城だった
「どうしたんだようつむいて…考え事か?」
「あ…うん」
今のところ、海音が女子だと知っているのは雷門イレブンの中で剣城だけだ
円堂や音無は…多分知らないだろう
「…全国大会始まるし、ボクが女子だって皆に言おうかなって…」
「ふーん……けど、基本ホーリーロードに女子は出れないぞ」
剣城が言ったのは事実だった あくまでもこれは『少年』サッカー大会なんだから
「…そういえば もうすぐ定期テストがあるぞ」
「定期テスト?」
「お前は学校に許可もらってるからジャージ登校してるけど、…その日は全員指定制服だ」
全員…指定制服
「…って事は剣城も普通の制服着るの?」
「ああ…まあな だからお前も 女子だとばらすならその日がいいと思う」
「なるほど〜」
二人はサッカー棟にやって来る 今日昼食を食べてる時、狩屋もサッカー部に入りたいと言ってたな…
でも狩屋は、海音達と話してるとき 表情には出ていなかったが楽しそうには見えなかった
サッカー棟には雷門イレブンが揃っていて、狩屋もいた
「…お前はサッカー好きか?」
狩屋は円堂と話をしている
「え…ハイ!好きです!」
「じゃあ入部を認める サッカーが好きな奴が入るのがサッカー部だ」
円堂は言った
サッカーが好きな奴が入るのがサッカー部か…
監督らしい
「よーし皆!屋内グラウンドで練習を始めるぞ!」
「はい!!」
その時、海音の携帯が震動した メールだ
「え…」
意外な差出人に 海音は思わず声を上げた
『 差出人:浪川
今日 鉄塔で練習をする
五時からだが 雪雨も来ねぇか?』
「………」
鉄塔で練習か…
五時なら丁度練習終わってるし、いいかな
『分かった 行くよ
…浪川さん どこでボクのメアド知ったの?』
そう打って送信した
「海音何してんだ!練習するぞ!」
「はい…今いきます!!」
駆け足で海音はグラウンドに向かった
——————
練習が終わる頃には四時を過ぎていた
皆ヘトヘトで、ドリンクを飲んでいる
「狩屋サッカー上手いね!」
「まぁ小さい時から蹴ってたからかな」
狩屋は天馬に言った
海音は携帯を見る やはり浪川からメールが来ている
『メアドは光良から教えてもらった いい忘れたが光良と磯崎と喜峰も来るから じゃあまた鉄塔で』
夜桜… 勝手に人のメアド教えて…海音は呆れた
「海音…誰とメールしてるんだ?」
すると神童は言った
「…友達とですよ」
海音は言った
浪川などと言ったらどんな反応されるかわからない
「…海音、全国大会に向けて 俺とシュート技考えないか?」
「え?」
海音は声を上げる
「シュート技…ですか?」
「ああ…嫌か?」
少し意外だった
神童からそんなこと言い出すなんて
「いいですよ やりましょう」
「そうか ありがとう…じゃあ明日から練習だな」
「はい!」
キャプテンとシュート技…か
——————
帰り道、海音は鉄塔に向かった
もう皆来てるかな…
「遅ぇぞ雪雨!」
鉄塔の周りには、すでに皆揃っていた
浪川、喜峰の他に 磯崎と夜桜もいる
「…夜桜と磯崎って浪川さんと仲良かったけ?」
「俺はな …磯崎はついでだ」
「ついでかよ」
夜桜に磯崎は言った
「…にしてもキャプテンが雪雨を呼ぶなんて…」
「雪雨のプレーには隙がある 化身ももっと強くなれるだろうしな」
浪川は言った
「…てめぇにはフィフスセクターを倒してもらわないといけないしな」
「浪川さん…強力してくれるんだ」
海音は呟く
「…海音 全国大会出られそうか?」
すると夜桜は言った
「何とかするよ…もうすぐ女子だってカミングアウトするつもりだけど」
「………え?」
喜峰は声を上げた
「雪雨って…女子なのか?」
「うん…」
「嘘だろおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
浪川と喜峰は叫んだ
「お前…どっからどう見ても男だぞ」
「そうか?」
すると夜桜は携帯を取り出した
その画面を皆に見せる
それは海音が小5の時の写真だった 夜桜も写ってる 雪国なので厚着だ
「え…この可愛いのが雪雨?」
喜峰は言った
写真の海音は今のようなショートヘアではなく、腰ほどもある二つ縛りだった
「懐かしいな〜 ボクが髪切ったの雷門に入学する直前だったし」
海音は言った
素直に言うと、写真の海音は顔立ちが良くて可愛い 今の海音はショートヘアがよく似合っていてカッコイイ そんな感じだ
「……と、とにかく 練習するぞ 時間がもったいない」
「そうだね」
海音は頷いた
そして五人は練習を始めた